ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2004.07.10]

●柳家花緑のバレエ落語の会に実兄の小林十市登場

 柳家花緑は落語家柳家小さんの孫で、兄はベジャール・バレエ・ローザンヌのプリンシパル・ダンサー小林十市。 祖父に入門して研鑽を積み、94年に真打ちに昇進を果たす。自他共に認める落語界一のバレエ通で、公演通いは年間100回を超えるほど。 趣味と実益と環境を生かして、クラシック・バレエの物語を江戸の世界に再現するオリジナル落語「ジゼル」「ロミオとジュリエット」「白鳥の湖」「じゃじゃ馬ならし」などを次々と発表している。

今回は「花緑のバレエものがたり」と題した会を開き、「ジゼル」を題財にした落語「おさよ」の一席と小林十市をゲストに招いてスペシャルトークショーを行った。 兄の十市を国際電話口に呼び出して、まるまる一話を語って意見を聞き、練りに練り上げた「おさよ」。なかなかおもしろかった。とくに2幕の幽霊界のお話は秀逸で大いに笑える。

花緑師匠の話芸を堪能した後はピアノ。「花緑のピアノばなし~じゃじゃ馬ならし」などのCDも出しているし、芸人の隠し芸大会などでサティやドビュッシーを披露するほどの腕前である。

一方、ゲスト出演の小林十市は、本格的な居合の手並みをみせた。祖父の小さんが高座に上がったとき、とても落語家とは思えない二の腕をもっていたことを記憶されている方もいるかもしれない。 そう、小さん師匠は剣道の達人だった。十市の居合は、祖父直伝なのである。(6月6日、スパイラルホール)