ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2004.03. 5]

『スペインの燦き----ラヴェル~バレエとオペラによる~』

 モーリス・ラヴェルという音楽家をテーマとし、バレエとオペラの作品を構成した公演を新国立劇場制作が制作した。
<1>オペラ「スペインの時」、<2>バレエ「ダフニスとクロエ」(第2組曲)、<3>言葉のない小品「洋上の小 舟」、<4>バレエ「ボレロ」という構成である。全編を通して、ク・ナウカの美加理がモーリス・ラヴェルとして出演するほか、オペラはメゾ・ ソプラノのグラシエラ・アラヤ、テノールのハインツ・ツェドニク、羽山晃生、バリトンのクラウディオ・オテッリ、バスの彭康亮、バレエは酒井はな、湯川麻 美子、市川透が出演した。指揮はマルク・ピオレ、演出・振付はパリ・オペラ座出身のニコラ・ムシンである。
  バレエの「ダフニスとクロエ」は、ディアギレフのロシア・バレエ団が上演したフォーキンの台本・振付の作品があるが、ここでは、ムシンによる音楽的な美を 描き出す舞台である。「ボレロ」もまた、ラヴェルの音楽のもつ<メカニカルな響きの魅力>を群舞の力で見せるものであった。
この舞台全体が、ラヴェルの音楽のもつ、まるで白い雲間に悠然とたゆたうような独特の美しさをヴィジュアルに見せようという試みである。20世紀初頭のパ リやスペインなどの文化、その文化を性急に摂取しようとした日本などという状況も、もちろんその背景には潜んでいる。ウィーン国立歌劇場などで仕事をして いる美術・衣裳を担当したダヴィデ・ピッツィゴーニの舞台デザインも、そのような趣旨を現していた。 (2月18日、新国立劇場)
ボレロ