ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2005.07.10]

●ケースマイケル自身も踊ったローザスの新作の夕べ

 ベルギーのアンヌ・テレサ・ド・ケースマイケル率いるローザスが今年もテアトル・ド・ラ・ヴィルに新作を携えて来演した(6月7日~18日)。

 最初のプログラムは、インドの伝統音楽ラーガに振付けた『RAGA FOR THE RAINY SEASON(雨季のラーガ)』とテナーサックスのジョン・コルトレーンのアルバム『A LOVE SUPREME(至上の愛)』に振り付けたもので、第2プロは、ラーガとコルトレーンのフュージョンによる『DESH(デッシュ)』。 振付には、カンパニーのスペイン人ダンサー、サルヴァ・サンチスも協力し、ケースマイケルのインド音楽への新たなチャレンジが注目された。

『ラーガ』は、9人のメンバーの出演で、白の衣裳をつけたダンサーたちの織りなす流れるようなアンサンブルが特筆される。 とりわけインド舞踊的な動きを意図したわけではないようだが、女性ダンサーが激しく床に転がったり、池田芙美代に次々に白のスカートを付けていくシーンな どは、 恋人を待つ女性の話をつづった歌詞と関連があったのかもしれない。

『至上の愛』は、振付のサンチスを含む2組のカップルの踊り。ジャズのスイングに乗せて、独特の手のムーヴメントやひねりやポーズを盛り込んだシンプルな作品。

『デッシュ』は、ケースマイケルとサンチスの共同振付で、この二人にマリオン・バレスターを加えて、ソロからトリオで構成。 5部のうち第4部のコルトレーンの『インディア』以外の音楽はラーガである。

 第1プロの『ラーガ』が儀式的な趣を感じさせたのに対し、こちらにはより自由な感覚が感じられた。しかもケースマイケル自身が踊ってくれたのがうれし い。 スローな動きに鋭い跳躍や回転を織り交ぜた緩急自在の構成がはっきり見えてくる。スリムなボディーに強靭なエネルギーが秘められ、やはりダンサーとしても まだまだ健在と思わせた。


<RAGA>

<DESH>ケースマイケル

<A LOVE SUPREME>