ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2004.11.10]

●サーシャ・ヴァルツで開幕のテアトル・ド・ラ・ヴィル

  今季のテアトル・ド・ラ・ヴィルは、ベルリンのシャウビーネ劇場を本拠に活躍するサーシャ・ヴァルツの来演で、ダンス公演の幕を開けた(10月12ー16 日)。上演されたのは、今年の新作で、シューベルトの5つの即興曲と4つの歌曲に振付けられた『即興曲』。10年間の創作活動の中で、ヴァルツが、クラ シック音楽を使うのは初めてとのことで、どのような新しいアプローチをみせてくれるか興味が引かれた。舞台には、7人のダンサーの他、歌い手とピアニスト が上がり、生演奏の中で繰り広げられたこの作品は、ダンス・コンサートの趣があった。ダンス・コンサートと言えば、ローザス。 床に傾斜した大きな2枚のパネルを敷き、バックに、や はり大きなパネルが壁のようにそそり立った舞台は、気のせいかローザスの『トッカータ 』のステージ作りを思い出させた。

後半、ダンサーが組合わさってアクロバティックなフォームを作ったり、水の入った長靴を履いて、パシャパシャと水音を立てながら歩き回るところなどユー モアがあり、いつの間にか、床下が浸水し、床の一部が抜けて、水浴びの場となるのも意表を突いている。さらに音楽との新しい出会いが見られたら、一層刺激 的な舞台となっただろう。なおこの作品は、来年4月にも同劇場で再演される。

サーシャ・ヴァルツ<即興曲>