ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2004.06.10]

●NDT 2&3がシャイヨ劇場に来演、マッツ・エック制作の『チューリップ』など

 まだパリは肌寒い5月、シャイヨ劇場に NDT2と3 の二つのカンパニーが招かれ、それぞれ充実した公演を繰り広げた。日程は、NDT2が5月6~8日と NDT3が13~15日。

 NDT2の公演では、キリアンの『インディゴ・ローズ』と『27分52秒』、ポール・ライトフットとソル・レオンの共作の『Shutters shut』と『Subject to change』の4作品が紹介された。作品によっては、ダンサーにまだ若さが見られるものもあったが、熱演が伝わって、観客の反応は非常によかった。最後 に上演されたハウブリッヒ曲による『27分52秒』(2002年初演)は、タイトルにあるのと同じ上演時間で、リノリウムを小道具に使った作品。極限まで に余分なものを取り除いた動きのエッセンスのみで構成されたもので、6人の精鋭たちにより、キリアンの神秘的世界が鋭いタッチで描かれ、見ごたえがあっ た。

  NDT3の『チューリップ』はマッツ・エックの制作で、昨年10月のオランダ・フェスティヴァルで初演された2部構成約2時間の作品。<バースデイ><ス マイル><マザー><モンスター><ポエト><アポロ><耳><目><ララバイ>など13のシーンが演劇とダンスによって展開されていく。音楽は、ゴレツ キ、ペルト、グリーク、バーバーなど。アナ・ラグーナをはじめ、ザビーネ・クプファーベルク、ニクラス・エック、イヴァン・オズレー、エゴン・マドセンの 出演で、芸達者なメンバーならではのユーモアと悲哀に溢れた舞台が十二分に楽しめた。

エック夫人のラグ-ナは、『ソロ・フォー・トゥ-』の一部や、昨年、テアトル・ド・ラ・ヴィルで披露した『オー・ソレ・ミオ』を再び踊ってみせたが、エック・ダンサーとしての強烈な個性をにじませて、ひときわ存在感を感じさせた。

NDT3 <チューリップ>
アナ・ラグーナ、ニクラス・エック