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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2004.02. 5]

シアラヴォラがプルミエールに パリ・オペラ座進級試験

 既報の通り2003年度のパリ・オペラ座コール・ド・バレエの進級試験が12月23日ガルニエで行われ、次のように結果が決まった。

 <プルミエール・ダンスーズ> <スジェ女性> <コリフェ女性>
<1> イザベル・シアラヴォラ (31歳)

次点以下の順位:
2、ローランス・ラフォン
3、ミュリエル・ジュスペレギー
4、セリーヌ・タロン
5、ミリアム・ウルド=ブラーム
6、ミリアム・カミオンカ
<1> ドロテ・ジルベール (20)

次点以下:
2、オーレリア・ベレ
3、エヴ・グリンシュタイン
4、オーロール・コルドリエ
5、セヴェリーヌ・ウェステルマン
6、アメリー・ラムルー
<1> マチルド・フルステー (18)
<2> サブリーナ・マレム (23)

次点以下:
3、ロレーヌ・レヴィ
4、ジュリー・マルテル
5、シャルリーヌ・ギーゼンダナー
6、アリス・ルナヴァン

 

 <プルミエ・ダンス-ル> <スジェ男性> <コリフェ男性>
空席なし<1> マチュー・ガニオ (19)
<2> シモン・ヴァラストロ (24)

次点以下:
3、キム・ヨンゴル
4、フロリアン・マニュネ
5、ジュリアン・メザンディ
6、グレゴリー・ガヤール
<1> マルタン・シェックス (23)
<2> ジョシュア・オファルト(19)

次点以下:
3、サミュエル・ミュレーズ
4、オーレリアン・ウエット
5、オードリック・ベザール
6、セバスチャン・ベルトー


 プルミエール・ダンスーズに昇進したイザベル・シアラヴォラは、バレエ団で最も脚のラインが美しい踊り手の一人として知られ、実力がありながら、毎年苦 労して階段を上がってきた人で、今回昇進という形で評価されたことはうれしい。振り返ってみると、10年程前、フォーサイスの『イン・ザ・ミドル…』を 踊ってコリフェに上がり、新人公演で、ティボーと『蝶々』を踊った時からその才能をかいま見せていた。
 
 新スジェのドロテ・ジルベールは、おおかたの予想通り余裕の進級。
 今回注目のマチュー・ガニオは、昨春、『ジュエルズ』のダイヤモンドの群舞を踊って以来、しばらく舞台姿を見ていなかったが、着実にエトワールへの道を 歩んでいる。自由曲でヌレエフ版『白鳥の湖』より第1幕の王子のヴァリエーションを選んだことからも、自信のほどが伺える。このヴァリエ-ションは、テク ニックよりもひたすらノーブルであることが求められる踊りで、私の知る限り、この10数年でこの踊りを試験で踊ったのはエルヴェ・モローだけで、彼の場合 もこの成功で、コリフェからスジェに上がったのだった。
 
  入団2年目、初の試験でコリフェとなったマチルド・フルステーには、ガニオと同様に、すでにエトワールの風格が備わっている。自由曲で選んだのは、難曲『パキータ』よりエトワールのヴァリエーション。
  今回は、空席が少なかったため、将来有望な人たちも進級することができなかった。この人たちについて一言ふれておきたい。

  スジェ女性・クラスでは、ミリアム・ウルド=ブラームが、優雅でテクニックもあり、あるいはと思わせた。まだ若いので、今後いくらでもチャンスがある。コ リフェ女性では、アレクサンドラ・カルディナールが、ニキヤの花かごのヴァリエーションをドラマティックに踊ったが、6位以内にも入らなかったのは意外。
  カドリ-ユ女性は、24人も出場。10代の若手に楽しみな人が多かったが、サラ・コーラ・ダヤノヴァに注目した人が少なくなかった。笑顔の美しいエキゾ ティックな踊り手で、様式美ある『眠れる森の美女』を踊って評判がよかったが、契約団員からスタジエ(研修生)になったばかりらしく、進級は見送られた。

  男性では、会心の出来を見せたコリフェのジュリアン・メザンディが今回も順位が振るわず、カドリーユのセバスチャン・ベルトーの順位があまりにも低いこと にも納得がいかなかった。ベルトーは、プティの『アルルの女』のフレデリの最後のソロを情熱的に踊ったが、こうした現代ものにおけるカリスマ性が評価され ないのは残念だ。