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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe 
[2005.07.10]

●6月から登場したパリ・オペラ座『オルフェオとエウリディーチェ』のキャスト

 5月に開幕したピナ・バウシュの『オルフェオとエウリディーチェ』は、6月から別の組み合わせが登場し、それぞれ見応えがあった。

 オルフェオは、カデール・ベラルビ(歌手はシャルロッテ・ヘレカント、エリザベト・クルマンの交替)、エウリディーチェはエレオノラ・アッバニャートと アリス・ルナヴァン(スンハ・イム)、 アモーレはシャルロット・ランソン(カッサンドル・ベルトン)とミュリエル・ジュスペレギー(アレクサンドラ・ザモイスカ)の各交替。

 ベラルビのオルフェオは、初日のブリダールとは全く対照的なオルフェオ像で、終始毅然と、エトワールの存在感が舞台を支配していた。 舞台の雰囲気がどことなく似ているせいか、ベラルビ自身が振付けた『嵐が丘』を思い浮かべた観客もいたようだ。 エウリディーチェは、アッバニャートが第3場<平和>で透けるような美しさを見せたのをはじめ、驚くべきは、まだコリフェのルナヴァン。 この人の東洋の神秘を感じさせる雰囲気がピナ作品で生かされ、見事抜擢に応えた。この成功で、今年はスジェに昇格することだろう。
 アモーレのランソンもピナが発掘した人材の一人。まだ20歳だが、群舞に混じっていてもたおやかな動きが目を引いた。

 回を重ねるにつれ、アンサンブルにも深みが出て、じわじわとピナの世界にはまっていくように見えた。 それは時に痛ましさを感じさせるほどで、改めてピナの魔力を実感させられた。


ルナヴァン

ベラルビとアッバニャート

アバニャート