ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2016.12.12]

小西裕紀子と佐々木大を主役にフィレンツェのヴェルディ劇場『椿姫』の凱旋公演──桧垣バレエ団『椿姫』小西裕紀子;振付

桧垣バレエ団
『椿姫』小西裕紀子:振付
osaka1612c_0193.jpg 小西裕紀子、佐々木大
撮影:岡村昌夫(テス大阪)(すべて)

京都会館が改装オープンしたロームシアター京都で、興味深いバレエ公演が続いている。11月5日には、メインホールで桧垣バレエ団の『椿姫』が上演された。これは昨年、同バレエ団が京都市とフィレンツェ市の姉妹都市提携50周年の記念事業として、イタリアのヴェルディ劇場で上演したものの凱旋公演。ヴェルディの名の劇場で、ヴェルディの曲に振付けての『椿姫』を上演し、現地の評論家に「東洋の椿姫」と評されたと聞く。 今回、舞台を観て、確かに小西裕紀子が踊ったマルグリットは、抑えた演技がかえって心情を伝える──マルグリットは自分の感情を抑えてアルマンの父デュバル(セルゲイ・サボチェンコ)の望みに応えるわけだが、その“抑える”というところに、東洋人の細やかさが活かされてより伝わるものになっていたように思う。だから、「東洋の椿姫」と評されたのだろう。 アルマンの佐々木大も、その場面ごとの感情を細やかに表す演技の深みが素晴らしいことに加え、それを高度なバレエテクニックを駆使して表現、さすがに良いダンサーだとあらためて感じた。 また、舞台全体も、以前、この桧垣バレエ団の『椿姫』を観た時よりも良くなっていることを感じた。大まかな流れや演出の特徴は変わらないのだが、群舞を含めたダンサーのレベルがアップし、今回、初めて使ったというバックの映像もセンス良く構成されていた。 マルグリットの死の前に現れる死に神のようなコロスの群舞が、この演出の大きな特徴。その直前の場面で実力派ダンサーたち、末原雅広、宮原由起夫、和田健太郎、松田桃花、堀内はなが道化師を踊っての楽しげなシーンがあり、その明るさが、その後のマルグリットの運命の“暗”をより際立たせたのも良く、物語が伝わる舞台に仕上がっていた。  (2016年11月5日 ロームシアター京都メインホール)

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osaka1612c_8037.jpg 『椿姫』マルグリット:小西裕紀子
撮影:岡村昌夫(テス大阪)(すべて)