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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2016.10.11]
From Osaka -大阪-

稲盛財団が公募で4800名を招待した森下洋子が踊った松山バレエ団の新『白鳥の湖』

松山バレエ団
新『白鳥の湖』清水哲太郎;台本・演出・振付

バレエファンのみなさまのなかには、稲盛財団というと、昨年、2015年の京都賞をジョン・ノイマイヤーが受賞したことを思い出す方も多いだろう。科学だけでなく、思想や芸術に貢献した人たちにも贈られる京都賞は、以前には、モーリス・ベジャールやピナ・バウシュも受賞している。

osaka1610a_3100.jpg 森下洋子、刑部星矢 ©岡村昌夫

稲盛財団が創立30年を経たことを記念して行ったのがこの企画。3日間の公演で4800名を無料招待というのはバレエでは本当に珍しいこと。また、松山バレエ団の公演自体も関西では久しぶりだ。3日間とも、オデット&オディールを森下洋子、王子を刑部星矢が踊った。約4万件、7万名の応募があったという。
清水哲太郎の台本・演出・振付による舞台は、とても重厚で豪華。1幕や3幕で行われる様々な儀式は、異国の国家行事を観ているような厳かなもので、振付も全体にオリジナリティに溢れている。
そして、何より、森下のオデットにひきこまれた。とてもやわらかくて叙情的、いたいけな小動物の様。その内側から凜と強い意志が感じられ、役を演じているだけでなく、ものごとの“本質”を体現しているような……素晴らしい踊りだと思った。また、オディールでは、一転、演技力たっぷりに歓喜の表情で、この演目を知り尽くしているバレリーナだからこそ、と思わせる踊りだった。王子の刑部も恵まれた体格を活かし、若く初々しい王子をノーブルに表した。彼が大きく、森下がとても小さくか弱く見えるのも、この演目として良かったと思う。ソリスト、コール・ド・バレエも独特の世界を創り上げ、観客を魅了していた。
(2016年8月17日 ロームシアター京都メインホール)

osaka1610a_4258.jpg 公女オデット:森下洋子 ©岡村昌夫 osaka1610a_4106.jpg 黒鳥オディール:森下洋子、
皇太子・神聖ローマ帝国新皇帝ジークフリード:刑部星矢
©岡村昌夫
osaka1610a_8601.jpg 森下洋子、刑部星矢 ©岡村昌夫 osaka1610a_8580.jpg ©岡村昌夫
osaka1610a_3376.jpg ©岡村昌夫 osaka1610a_3075.jpg 森下洋子、刑部星矢 ©岡村昌夫
osaka1610a_7739.jpg 刑部星矢 ©岡村昌夫 osaka1610a_2926.jpg 公女オデット:森下洋子 ©岡村昌夫