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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2016.07.11]
From Osaka -大阪-

針山愛美とベルリン・フィル、ヴァイオリニストのホルム・ビークホルツの素敵なコラボレーション

「Dream Duo Berlin」
針山愛美;構成・演出

モスクワ音楽劇場バレエ団、ベルリン国立バレエ団などで活躍してきた針山愛美、このDANCE CUBEの「バレリーナのベルリン日記」でもおなじみの彼女が、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のヴァイオリニストで作曲家でもあるホルム・ビークホルツとコラボレーションするという公演が行われた。
豊中市立文化芸術センター開設プレ事業として行われたもので、クラリネットの針山憲夫、ピアノの針山和子と彼女の両親も加わって、針山憲夫が親しみやすい口調で司会進行を行うなどアットホームな雰囲気で進められた。

osaka1607c_DSC4614.jpg 「Four Seasons 春─夏─秋─冬 より」
撮影:OshidaーT(すべて)

まず最初に第1部として上演されたのは、ホルム・ビークホルツ作曲『Four Seasons 春─夏─秋─冬』からの抜粋。1.春─桜の舞、2.冬─雪の情景、3.秋─紅葉の木枯らしが上演された。これはもともと2015年にベルリン・フィル・オフィシャルコンサートの一環としてホルムと針山愛美とのコラボレーションで行われたものだそうで、ホルムが日本からインスピレーションを得て作曲した曲。ホルムの演奏に、日本の四季を表す映像が重なり、影絵のように美しい女性が現れたと思うと、それが針山愛美でゆっくりと踊り出す。バレリーナらしい華奢な首や繊細な動きをする腕や手首が、日本女性の美しさと重なるように思えたり、ヴァイオリンを現代音楽的に使っての音が琴の響きに聞こえたりと、東西の交わりが自然に感じられた。

第2部では、バラエティに富んだ曲が次々と。ヴィットーリオ・モンティ作曲『チャールダーシュ』では、桑野万璃を子役に子どもの手を引くジプシーの女(針山愛美)を憂いを持って踊ったり、アストル・ピアソラ作曲の『リベルタンゴ』では毅然とした女性の魅力を持ってスケールの大きな踊りを披露したり、ショロム・セクンダ作曲の『素敵なあなた』では、ジャズに乗ってコケティッシュな魅力。
そして第3部はクラシック。J.S.バッハの「ソナタから」、「無伴奏パルティータから」は、ホルムの演奏に乗って、オブジェの後ろから少しずつ動き出して、クラシック・バレエの動きを幾何学的に。西洋音楽もバレエも幾何学的なところがあることをあらためて思って観た。
続いてのジュール・マスネの曲に乗せての『タイスの瞑想曲』は、バレリーナの苦悩を表した作品。ひとりのバレリーナがさまざまな苦しみから這い上がって、舞台で羽ばたくように踊る姿を表現。ドラマティックでとても素敵、また観たいと思った。最後はカミーユ・サン=サーンスの『瀕死の白鳥』。凜とした強さを感じたのは、彼女自身が持つ強さがにじみ出たものでもあるのかもしれない。
バレエを初めて観る方にも楽しめる、多彩な魅力に彩られたプログラムだった。
(2016年5月26日 豊中市立アクア文化ホール)

osaka1607c_DSC4808.jpg 「リベルタンゴ」 osaka1607c_DSC4937.jpg 「素敵なあなた」
osaka1607c_DSC4989.jpg 「無伴奏パルティータ」から osaka1607c_DSC4994.jpg 「無伴奏パルティータ」から
osaka1607c_DSC5129.jpg 「タイスの瞑想曲」 osaka1607c_DSC4745.jpg ピアノ/針山愛美
osaka1607c_DSC5171.jpg 「タイスの瞑想曲」 撮影:OshidaーT(すべて)