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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2016.07.11]
From Osaka -大阪-

心に響いた深川秀夫の新作『Romeo and Juliet』など、見応えがあった原美香のセカンドリサイタル

「原美香 with Friends」バレエリサイタル
『Romeo and Juliet』『ガーシュイン・モナムール』深川秀夫;振付、『コンチェルト』樫野隆幸;振付、『Viva Two Melody』森美香代;振付、『Trois de Bach』堀内充;振付

宮下靖子バレエで数々の主役をつとめ、バレエ協会関西支部の公演やドイツ、チューリンゲン州立アイゼナハ歌劇場でも多くの主役を踊るなど活躍してきた原美香が、2回目のリサイタルを開いた。彼女が踊ったのはもちろん、演目構成なども行ったわけだが、バランスの良い組み合わせにセンスを感じると同時に、表題の “with Friends”、つまり彼女の友人たちである振付家やダンサーたちも実力派たちで、とても見応えのある舞台になっていた。

osaka1607b_3232.jpg 『ガーシュイン・モナムール』原美香
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

樫野隆幸がJ.S.バッハの曲に振付けたクラシックの群舞『コンチェルト』でオープニングらしく幕開け。続いては森美香代振付で西尾睦生と森伊佐が踊った『Viva Two Melody』。さまざまな楽器を表す振りの入るコンテンポラリー。ヴェテランダンサーだからこそ出せる“こなれ感”、ほどよい脱力感が良い。
次には、25年前に原美香自身が堀内充と踊ったという堀内充振付の『Trois de Bach』の抜粋。こちらもバッハだが、ジャック・ルーシェによるジャズ調の音楽を使い、伸び盛りの実力派ダンサー3人、井澤照予、木村菜穂、青木崇がスタイリッシュに踊った。

この舞台、一番の注目は、深川秀夫振付の新作『Romeo and Juliet』だろう。チャコフスキーの22分ほどの曲に振付けられた作品で、ダンサーは原美香と山本庸督2人だけ。深川は若い頃、リファールがこのチャイコフスキーの曲に振付けた『ロミオとジュリエット』を何度も踊った経験を持っているが、今回、自ら新たな作品として振付けた。ロミオとジュリエット以外のダンサーは出演しないが、まるでほかの出演者がいるかのように楽しそうなロミオのフェンシングに始まって、22分というコンパクトな時間のなかで、あの長い物語が表現されていった。おだやかな音の中の2人のパ・ド・ドゥは本当に幸せがにじみ出るよう。リフトも多く難易度の高い振付だが、それと感じさせず自然に物語に引き込んだのはさすが。原の華奢な身体を美しく使った繊細な表現力、山本の精悍さに加えての少年っぽいチャーミングな魅力もこの役に合っていると感じた。ラストは死後の光り輝く世界という開放感のある終わり方だった。

そして公演全体のラストは、同じく深川振付の『ガーシュイン・モナムール』。中西貴子の長身を活かした憂いあるヴァリエーションなど、“with Freends”が、それぞれ適材適所と思えるヴァリエーションなどを披露。中心を踊った原美香は、大人の女性の色香、コケティッシュな魅力を感じさせていっそうの輝きを放っていた。
(2016年6月5日 ロームシアター京都サウスホール)

osaka1607b_0492.jpg 『Romeo and Juliet』
原美香、山本庸督 撮影:文元克香(テス大阪)
osaka1607b_2294.jpg 『Romeo and Juliet』
原美香、山本庸督 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1607b_0259.jpg 『コンチェルト』撮影:文元克香(テス大阪) osaka1607b_0284.jpg 『Viva Two Melody』西尾睦生、森伊佐
撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1607b_0376.jpg 『Trois de Bach』井澤照予、木村菜穂、青木崇
撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1607b_1036.jpg 『ガーシュイン・モナムール』原美香、梶田眞嗣
撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1607b_1254.jpg 『ガーシュイン・モナムール』撮影:文元克香(テス大阪)