ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2015.11.10]
From Osaka -大阪-

山本隆之、福岡雄大、福田圭吾を中心に矢上恵子の新作『J&H』ほか、K★バレエスタジオ

K★バレエスタジオ30th Anniversary Concert
『ドン・キホーテ』矢上香織、久留美:改訂振付、『J&H』ジキルとハイドより矢上恵子:振付

近年、新国立劇場バレエ団で活躍する山本隆之、福岡雄大、福田圭吾、福田紘也など素晴らしいダンサーを輩出しているK★バレエスタジオの30回目の記念コンサート。矢上香織、久留美、恵子の3姉妹が主宰するスタジオだ。東京で活躍するダンサーたちも駆けつけての豪華な舞台となった。
まず幕開けは『ドン・キホーテ』で、2幕ものに構成し直してキトリとバジル、ドルシネア姫を踊り分けた。ACT1、居酒屋までのキトリ&バジルは吉田千智&福田圭吾。二人は優しく穏やかな雰囲気で、楽しげに物語を運ぶ。福田の活き活きとした演技力、吉田のニコニコとチャーミングな可愛らしさが印象に残った。メルセデスの石川真理子の踊りも華やかで目を引いた。ドルシネア姫は井後麻友美で柔らかさも持って、森の女王の梶原麗菜は涼しげな魅力、キューピットの長谷川梨央はこなれた踊りで安心感があった。ACT2、結婚式の場面のキトリ&バジルは工藤雅女と福岡雄大。二人ともとても高度のテクニックの持ち主で、片手でのリフトも鮮やかで美しく、ノーブルさは失わない。工藤のフェッテは優雅さを保ちながらダブルを入れたり、扇を開閉したり、福岡のトゥールも伸びやかで優雅で、さすがにとても美しかった。
後半は矢上恵子振付のコンテンポラリー新作『J&H「ジキルとハイド」より』。博士を山本隆之、ジキルを福田圭吾、ハイドを福岡雄大と、テクニックも表現力も高いダンサー3人が、一人の人間のさまざまな側面を踊る。時にシンクロしながらのダンス。観ていて、気持ちが研ぎ澄まされるようで“人間”というものの不思議に思いを馳せた。群舞もキレを持って変化に富んだ動きを、まるで全員で一つの生き物のようにも感じさせながらエネルギッシュに踊った。また、婚約者エマ役の吉田千智の踊りがワンポイントの小さな花のような彩りになっているようで、それも印象に残った。
(2015年9月20日 吹田メイシアター)

osaka1511e_0858.jpg 『ドン・キホーテ』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511e_2135.jpg 『ドン・キホーテ』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1511e_0101.jpg 『ドン・キホーテ』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511e_0212.jpg 『ドン・キホーテ』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1511e_0296.jpg 『ドン・キホーテ』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511e_1171.jpg 『J&H』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1511e_1039.jpg 『J&H』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511e_1254.jpg 『J&H』撮影:文元克香(テス大阪)
osaka1511e_1173.jpg 『J&H』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511e_1059.jpg 『J&H』撮影:岡村昌夫(テス大阪)