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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2015.11.10]
From Osaka -大阪-

キリアン、森優貴、島崎徹、長尾良子振付による現代作品5作を上演、貞松・浜田バレエ団

貞松・浜田バレエ団
『小さな死 Petite Mort』『6Dances』イリ・キリアン:振付、『セルフ・プロデュース』長尾良子:振付、『SchwarzerRegen 黒い雨』森優貴:振付、『For Tomorrow』島崎徹:振付

5つのバラエティに富んだ力作が揃った。貞松・浜田バレエ団はクラシックも良いが、近年益々、現代作品のレベルが高くなってきているように感じられる。

osaka1511b_0034.jpg 『小さな死 Petite Mort』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

まず幕開けに上演されたのはイリ・キリアン振付の『小さな死 Petite Mort』、モーツァルトの優しいピアノ曲に乗って6組のカップル(上村未香、正木志保、竹中優花、瀬島五月、廣岡奈美、川﨑麻衣、アンドリュー・エルフィンストン、武藤天華、堤悠輔、塚本士朗、水城卓哉、幸村恢麟)が踊る。官能的でありながら、どこまでもピュアで清らかな空気が流れる本当に素晴らしい作品。それをダンサーたちはそれぞれの個性を見せながら自然な魅力を持って踊りこなした。続いての長尾良子振付の『セルフ・プロデュース』はバレエファンには、『レ・シルフィード』で聴き慣れたショパンの曲を使ってチャーミングに群舞の魅力を見せた。
3つ目は、この団体出身でドイツのレーゲンスブルグで芸術監督を務める森優貴が2012年の芸術監督就任後初めて発表した小品『SchwarzerRegen 黒い雨』。東日本大震災、福島原発事故に心を痛めて振付けた作品で、日本では今回が初演だ。人間というものの弱さ、儚さ、だからこその尊さを静かに描いた。出演した2組のカップルはいずれも実力あるダンサー、ベテランの瀬島五月、堤悠輔はもちろん、若手で注目株の水城卓哉、それに新星、東沙綾が踊った。続いてはルネ・オーブリの音楽に島崎徹が振り付けた『For tomorrow』、ビートの効いた音楽で始まり、速さをともなった群舞など、よく動けるダンサーたちがメリハリを持って踊った。福田咲希をはじめ、若手で伸びそうなダンサーが複数育っていることを感じた。
そしてラストはイリ・キリアン振付『6 DANCES』。佐々木優希、瀬島五月、安原梨乃、大江陽子、アンドリュー・エルフィンストン、武藤天華、堤悠輔、水城卓哉など中心に、ユーモアたっぷりで笑いを誘うダンスで盛り上げて幕を閉じた。
(2015年9月22日 神戸文化ホール中ホール)

osaka1511b_0042.jpg 『小さな死 Petite Mort』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511b_0051.jpg 『小さな死 Petite Mort』撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1511b_0292.jpg 『セルフ・プロデュース』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511b_0432.jpg 『SchwarzerRegen 黒い雨』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1511b_0437.jpg 『SchwarzerRegen 黒い雨』撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1511b_0635.jpg 『For tomorrow』撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1511b_0798.jpg 『6 DANCES』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1511b_0907.jpg 『6 DANCES』撮影:岡村昌夫(テス大阪)