ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.12.10]
From Osaka -大阪-

さりげない、それでいて研ぎ澄まされた動きの魅力──アンサンブル・ゾネ『迷い』

アンサンブル・ゾネ
『迷い』岡登志子:構成・振付・演出

階段状の客席から見下ろす形の、暗幕だけのシンプルな舞台。開演時間になると、その上手脇に白髪交じりのオーストリア人男性が楽器を持って腰をおろした。彼は音楽監督のWolfgang Seierlで、私が観た神戸公演ではライブ演奏を行っていた。彼は現代音楽のアーティストであるだけでなく、美術家でもあるそうで、振付の岡は、たまたま観た彼の美術作品に感じるものがあったことから、今回、一緒に作品を創ることに繋がっていったのだと聞いた。
彼の演奏とともに始まった舞台、垣尾優、玉邑浩二、伊藤愛、岡本早未、井筒麻也、糸瀬公二、桑野聖子、住吉山実里、文山絵真、岡登志子と10人のダンサーが踊る、時にはソロで、時には2、3人のアンサンブルで。

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『迷い』撮影:阿波根治(すべて)

きちんとダンサーとしての身体をつくるトレーニングを日々続けた上で、自分の内面や世の中から感じることに敏感に反応しながら踊っているダンサーたちという気がして、観ていて心地よかった。また、今回の作品では、それぞれのダンサーの個性も楽しめた。子どもが思わず笑い出す垣尾優のどこかコミカルにも思える動き、岡本早未の少年のようにピュアでシャープな視線、“迷い”というテーマそのものを身体じゅうにまとったような桑野聖子の不安げな表情。そしてやはり、岡登志子の踊りに特に惹きつけられた。滑らかでさりげない、それでいて研ぎ澄まされた内側からの想いが自然に溢れ出るようなダンス。
舞台を観ていて、観ている私も何か表現してみたい──そんな思いが不思議な強さで私の胸に広がった。
(2014年10月26日、ArtTheater dB KOBE)

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『迷い』撮影:阿波根治(すべて)