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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.10.10]
From Osaka -大阪-

環佐希子の作品たちとサイトウマコト振付『岸辺と森と彼の棲む小屋』──環バレエ50周年

環バレエ団
『ダフネ』『ガラティア』『メディア』『かぐや姫』『夕顔』『鬼無里』環佐希子:振付、『岸辺と森と彼の棲む小屋』サイトウマコト:振付

50周年を迎えた環バレエの秋のバレエコンサートを観た。この団体の存在は知っていたものの、意外にもこれまで舞台を観たことがなかったのだが、関西にこんなにも独自の創作作品を創り連ねている団体があるということをあらためて実感した。

osaka1410d_1530.jpg 『岸辺と森と彼の棲む小屋』撮影:古都栄二(テス大阪)

米田くるみと上村崇人を中心にした『パキータ』で幕を開けた。
続く第Ⅱ部が「環佐希子コレクション」。環佐希子がこれまでに創った作品の中から代表的なものをピックアップして上演した。『ダフネ』、『ガラティア』、『メディア』、『かぐや姫』、『夕顔』、『鬼無里』と、ギリシャ神話から日本の物語まで、さまざまな演目が並ぶ。それぞれ、クラシック・バレエを学んだダンサーが、物語表現を丁寧に行っており、とても見応えがあった。特に印象に残ったのは、『夕顔』と『鬼無里』。『夕顔』の夕顔役の田中瑛美は手脚の長い美しいラインを持ち、しなるような動きも良い。光源氏役の十川大介とのシーンは自然な笑顔で、初々しく清純な雰囲気がとても魅力的だった。これからの成長に期待したい若手ダンサーだ。『鬼無里』は、くれは役の作田みどりの深い想いが伝わる踊りに惹き込まれた。ベテランダンサーだからこその表現だったと思う。
そして、ラストは光源氏役でもあった十川大介を中心にしたコンテンポラリー・ダンス。サイトウマコト振付の『岸辺と森と彼の棲む小屋』だった。十川はドイツのノルトハウゼンで活躍するダンサーだ。マイケル・ナイマンの曲に振付けられたこの作品、父(森恵寿)、母(作田みどり)と、森や海といった群舞の中で踊る彼(十川大介)は、さまざまな葛藤の中、揉まれながら、ヘトヘトになりながらも、自分の足でゆっくりと一歩一歩進んでいく。その決意のようなものを全身で感じさせていた。
(2014年8月26日 新大阪メルパルクホール)

osaka1410d_8020.jpg 『パキータ』撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1410d_0520.jpg 『ダフネ』撮影:波片一乃(テス大阪)
osaka1410d_0610.jpg 『ガラティア』撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1410d_0655.jpg 『メディア』撮影:波片一乃(テス大阪)
osaka1410d_0922.jpg 『かぐや姫』撮影:波片一乃(テス大阪) osaka1410d_1012.jpg 『夕顔』撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1410d_1513.jpg 『岸辺と森と彼の棲む小屋』撮影:波片一乃(テス大阪) osaka1410d_1479.jpg 『岸辺と森と彼の棲む小屋』撮影:古都栄二(テス大阪)