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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.03.10]
From Osaka -大阪-

楠本理江香のオデット、安積瑠璃子のオディールが素晴らしかった『白鳥の湖』

日本バレエ協会関西支部「バレエ芸術劇場」
『白鳥の湖』マリウス・プティパ:原振付、田中祥次:演出、樫野隆幸、田上世津子、薮内智子:振付

日本バレエ協会関西支部が毎年この時期に行うバレエ芸術劇場、リニューアルオープンしたということで、久しぶりにフェスティバルホールでの開催となった。41回目となる今回の演目は、1974年の第1回と同じ『白鳥の湖』。確か、その第1回の主役は、昨年お亡くなりになられた石川惠己(当時、石川恵津子)先生だったのではなかったかと記憶している。石川先生は近年もずっと、このバレエ芸術劇場の指導にご尽力されていたので、先生がもういらっしゃらないことをとても残念に思いながら劇場に向かった。

osaka1403a_0454.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

そんななかの今年の『白鳥の湖』、適材適所のキャスティングでソリストの充実した舞台だった。オデットの楠本理江香は経験を重ね、ドラマティックな表現ができるダンサー、背中の柔らかさを活かしたしなりのある動きが白鳥にとても合っていた。
そして、成長に目を見張ったのはオディールの安積瑠璃子。長身を活かした大きな踊り、大輪のバラのように華やかでバレリーナらしい柔らかさも持ちながら強い、“自分の魅力に自信たっぷりなオディール” という感じ。眼が釘付けになる迫力があった。まだ、若い彼女、これからがますます楽しみになった。王子はアンドリュー・エルフィンストンで、長身の安積との身長バランスが良く、やさしくノーブルな雰囲気がジークフリート役によく合う。
ソリスト陣では、まず、道化の末原雅広の軸がまっすぐで鮮やかなトゥール、高度なテクニックが舞台に引き込んだ。パ・ド・トロワの3人も良かった。しっかりとしたバレエの基礎に基づいた塩谷綾菜の丁寧な踊り、美しいアントルシャなどのテクニックが素晴らしい上にやわらかい気品も感じさせる青木崇、それに伸び盛りなのだろう、心から踊ることを楽しんでいることが伝わってくる太田朱音の伸びやかな踊りに好感を持った。
また、舞踏会のディベルティスマンは、高木志保、平林万里、アンドレイ・クードリャ、末松大輔のスペイン、上杉真由と恵谷彰を中心としたナポリ、逸見澄子、津田佳穂里、増田亜希、吉田友紀、東文昭、内田卓、北村俊介、酒井直希の4カップルでのポーランド、橋口真貴を中心としたロシア、谷吹知早斗と上月佑馬が中心のハンガリーと、経験豊富なベテランダンサーをバランスよく配し、見応えのあるものに仕上がっていた。
演出では、ラスト、終幕のオデットがとても勇敢だったことが印象に残った。
(2014年1月25日 フェスティバルホール)

osaka1403a_0661.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1403a_0622.jpg 撮影:田中聡(テス大阪)
osaka1403a_0213.jpg 撮影:金原優美(テス大阪) osaka1403a_0889.jpg 撮影:金原優美(テス大阪)
osaka1403a_8083.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1403a_1337.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1403a_0086.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1403a_0501.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)