ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.02.10]
From Osaka -大阪-

ドナールのドロッセルマイヤーがクリスマスの夢に引き込んだ『くるみ割り人形』

有馬龍子記念京都バレエ団
『くるみ割り人形』有馬えり子:企画・制作・振付

有馬龍子記念京都バレエ団の『くるみ割り人形』公演を観た。幕が開くと、まずは指揮の江原功が登場。『くるみ割り人形』の音楽に関するトークを繰り広げた。チェレスタで金平糖のヴァリエーションの音楽を奏でた後に、別の楽器(グロッケンシュピールと言っただろうか?)を使って(チェレスタは一人で演奏だけど)、二人で先ほどのチェレスタと同じフレーズを演奏したり、ねずみと兵隊の戦いのシーンのオーボエでトランペットを表現する部分を聴かせたり。こうして音楽に理解を深める機会はバレエファンにはなかなかないので良かったと思う。

osaka1402a_5189.jpg 撮影:瀬戸秀美

その後続いて江原指揮、大津フィルハーモニー管弦楽団の演奏で上演された『くるみ割り人形』全幕。もっとも強く印象に残ったのは、ミカエル・ドナールのドロッセルマイヤーだ。ニコニコとした子供好きのとても気のいい楽しげなおじさんという感じ。ミステリアスな存在というよりも、表情豊かで子供たちと遊ぶのを心底楽しんでいるような。クララ(私が観たのは昼の部で高橋瑶子、夜は西村実真)と、フリッツ(幸村恢麟)中心に、子供たちがそんなドロッセルマイヤーと共に楽しく踊る。
ところで、パーティシーンでくるみ割り人形として現れるのはダンサーで、高いバレエ・テクニックを持つ恵谷彰。美しいトゥールも披露して、その後のストーリーを予感させた。ねずみを倒した後、クララとくるみ割り人形=王子ともにダンサーが代わり、光永百花とアンドリュー・エルフィンストン(夜の部では、藤川雅子と末松大輔)に。この二人が2幕のグラン・パ・ド・ドゥまで踊ったわけだが、アンドリューはもちろん、光永も手脚の長い美しいスタイルを活かしており、踊る喜びのようなものも伝わって好感が持てた。
他にソリストで目を引いたのは、雪の中心となった福谷葉子と吉田旭の観客を楽しませる踊り。それに、もう一人、2幕のお菓子の国でのコーヒーの精の八尾沙耶香が印象に残った。スタイルや柔軟性、それに何より踊りに輝きがあった。これからに期待したいダンサーだ。
(2013年12月23日 びわ湖ホール中ホール 昼夜公演のうち昼公演を鑑賞)

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osaka1402a_0427.jpg osaka1402a_1458.jpg
osaka1402a_1532.jpg 撮影:瀬戸秀美(すべて)