ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.11.11]
From Osaka -大阪-

クラシックからコンテンポラリーまで多彩な作品が上演された岡本博雄バレエ団

岡本博雄バレエ団「And then,See me,Feel me.~いま、この瞬間を~」
『グラズノフ・スイート』深川秀夫:演出・振付、『Comme on est ~あるがままに~』上杉真由:演出・振付、『srenepo←』大前光市:演出・振付 ほか

クラシック・バレエからコンテンポラリーのオリジナル作品まで、さまざまな演目が上演された岡本博雄バレエ団公演『And then,See me,Feel me.〜いま、この瞬間を〜』を観た。全体を通してつくづく感じたのは、きちんとバレエの基礎をていねいに身につけた上で、それぞれの個性を出せるダンサーが多いということ。

osaka1311a_2108.jpg 『ラ・シルフィード』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

まずはじめに上演されたのは、増田亜希と中田一史がシルフィードとジェームズを踊った『ラ・シルフィード』第二幕より。柔らかい筋あかりが美しい照明は松浦眞也によるもの。増田の、心が弾むようなとても楽しげなシルフィード、中田の繊細な人柄がそのまま出たようなピュアなジェームズ、そして初々しく素直な雰囲気のコール・ド・バレエも良かった。
続いてはコンテンポラリー2作品。上杉真由が振付けた『Comme on est 〜あるがままに〜』は、決して一筋縄では行かない人生を、さまざまな思いを抱きながら果敢に生きる大人の女性の姿を橋口真貴が踊った。伸び伸びと、前向きな意志を感じさせる踊りだった。また、大前光市が振付けて、本人と上杉真由が踊った『srenepo←』は、夫婦の日常をコミカルに軽快に描いた作品。ユニークで動きそのものを楽しめた。

osaka1311a_0595.jpg 『ドン・キホーテ』
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

休憩を挟んで第2部として上演されたのは3つのクラシック・バレエ。『くるみ割り人形』第二幕よりグラン・パ・ド・ドゥを踊った林田まりやは明るく気取らない魅力。優しげな中田の王子をパートナーにテクニックも活かしての踊った。『せむしの仔馬』よりフレスコも上杉真由、増田亜希、岩﨑明日香、村林楽穂と4人のしっかり踊れるバレエダンサーがきちんと踊った。『ドン・キホーテ』第三幕よりグラン・パは江川由華とアンドレイ・クードリャがキトリとバジル。小さな顔でスタイルの良い江川、キレのあるハツラツとした踊りで高いテクニックも見せた。
第三部、ラストは深川秀夫振付の『グラズノフ・スイート』。このバレエ団が深川作品に取り組むのは初めてのようだが、さすがに基礎がしっかりとしたダンサーが揃っているからだろう。表現に余裕を持って取り組めているようで、深川作品独特のおしゃれな“香り”を良い感じで醸し出していたのはさすが。ヴァリエーションもそれぞれのダンサーの個性にあっていて見応えがあった。
(2013年9月22日 クレオ大阪中央ホール)

osaka1311a_0339.jpg 『srenepo←』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1311a_2302.jpg 『せむしの仔馬』より 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1311a_0737.jpg 『グラズノフ・スイート』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1311a_0938.jpg 『グラズノフ・スイート』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1311a_2536.jpg 『グラズノフ・スイート』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1311a_2146.jpg 『Comme on est 〜あるがままに〜』撮影:岡村昌夫(テス大阪)