ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.10.10]
From Osaka -大阪-

役柄への想いとテクニックが調和した室尾由紀子のジゼルと法村圭緒のアルブレヒト

バレエ・エトワール
『ジゼル』境田公美:演出・振付ほか
osaka1310d_7546.jpg 撮影:高田真

バレエ・エトワールの舞台を観た。まず、第1部、第2部では、子どもたちも大活躍の小品がたくさん上演された。その中で、境田有花と稲田梨乃、谷姫莉、馬所恵理香中心に、田口リツ子、主宰の境田公美、松嶋さゆり、西田晴美といったベテランダンサーや法村圭緒、石崎慎、中田一史、今井大輔といった男性ダンサー、それに群舞もともなって上演された『〜絆〜』(室尾由紀子振付)は、4人の女の子の成長を描いているようで、印象に残った。また、2部で上演された『みにくいアヒルの子』は、個人的に有吉京子の漫画『SWAN』のキーになっているフィクション上作品を思い出しつつ楽しく観た。

そして、観て良かったとつくづく思ったのは、第3部『ジゼル』。ジゼルとアルブレヒトは室尾由紀子と法村圭緒。室尾のジゼルは、登場から明るく観客を引き込む。清純さも併せ持って、バティルド姫(境田公美)のドレスに憧れて触れるシーンの素直な表情はとても良かった。また、ヴァリエーションでのそれぞれのパがとてもスムーズで美しく、ゆっくりとしたパが柔らかく眼に残るよう。マネージもスムーズで喜びが体中から溢れているようだった。法村のアルブレヒトも品良く抑えていながら細かいところまで気を配った演技に好感が持て、やはり、パの美しさはさすが。ペザント・パ・ド・ドゥの境田カレンと今井大輔も若さを活かしたのびやかでイキイキとした踊りが良かった。狂乱のシーンも役に入り込んだ引き込むものだった。

osaka1310d_2942.jpg 撮影:高田真

そして2幕。アルブレヒトの歩き方だけで苦悩が伝わる、翻すマントも自然だ。室尾は以前よりもスタイルがすっきりして、想いのこもった柔らかい動きがとても良い。想いが膨らんで膨らんで劇場中に溢れるようで、ゾクッとした。二人とも高いテクニックを基礎にした丁寧なパ、足先の細かいパの多い演目だが、そういったパも足の甲が美しくお手本のようだった。そして、もちろんそれは役としての想いのなかで行われていたので、うっとりしながら二人の世界に引き込まれた。
(2013年8月25日 奈良県文化会館国際ホール)

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撮影:高田真(全て)