ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.09.10]
From Osaka -大阪-

物語のに引き込んでいく力のある深川秀夫振付の『白鳥の湖』他

波多野バレエ研究所
『街角』波多野澄子:演出・振付、『白鳥の湖』深川秀夫:振付ほか

波多野澄子バレエバレエ研究所の55回目を記念した生徒公演。バレエコンサートでは、まず、カナダのトロント・ダンスシアターで活躍する井上勇一郎が『Another「Myself」〜もう一人の自分〜』を踊った。力強さと滑らかさが両立した動き。自分を解放したくてもがく様がよく表現できていた。続いての『ライモンダ]よりグラン・パは、桑原万奈と大寺資二を中心に、プラス4カップルで。桑原は堂々とした風格を持ち大人の憂いを表現できるダンサー、もちろん大寺もベテランらしい落ち着きを持ち、この踊りの魅力がよく伝わった。

osaka1309e_0590.jpg 『Another「Myself」?もう一人の自分?』
撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1309e_0672.jpg 『ライモンダ』より
撮影:文元克香(テス大阪)
osaka1309e_8048.jpg 『街角』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

その後、ジョージ・ガーシュインの曲に波多野澄子が振付けた『街角』が上演された。子どもたちも出演する演目で、とても可愛らしく、全体が暖かい視線に守られているような心地よい空気に包まれた作品で微笑ましかった。
最後は、深川秀夫振付の『白鳥の湖』、プロローグを付けた3幕と4幕だ。オデットを藤井真理子、オディールを辻未来と二人のダンサーが踊り分けた。プロローグで、ロッドバルトとともにその娘オディールが、白いワンピース姿のオデットを捕らえて白鳥に変える様が表され、全幕ではないながらもストーリーに引き込むつくりになっていたのが、まず良い。オディールの辻は、華奢で可愛らしいダンサーなのだが、今回オディールらしい妖艶さや強さもよく出ていて惹きこまれ、大きな成長を感じた。オデットの藤井は、清楚さが彼女の性格そのままであるように感じられる踊り、とても素直な踊りで好感が持てた。二人の出来が予想以上に良く、これからの更なる成長に期待したい。王子の梶田真嗣もノーブルで王子らしく、とても良かった。4幕、白鳥のコール・ド・バレエは、深川振付独特の動物的な動き、迫力に溢れ、ぐいぐい舞台に引き込まれた。また、3幕のディベルティスマンの各ソリストもそれぞれ適材適所で実力が感じられ、もし機会があれば、このダンサーたちで全幕を観られると良いだろうなと思った。
(2013年8月11日 神戸文化ホール)

osaka1309e_1958.jpg 『白鳥の湖』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1309e_1801.jpg 『白鳥の湖』撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1309e_1366.jpg 『白鳥の湖』撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1309e_1668.jpg 『白鳥の湖』撮影:岡村昌夫(テス大阪)