ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.09.10]
From Osaka -大阪-

洒落たプロローグで幕を開けた堀内充振付の『白鳥の湖』

Y.S.BALLET COMPANY
『白鳥の湖』堀内充:構成・演出・振付

Y.S.BALLET COMPANYの今年の公演は『白鳥の湖』。プロローグ、幕前でサスライトに照らされる清楚なワンピースとティアラが持ち主が白鳥に変えられてしまった悲しみをさりげなく伝える。幕が開き、登場する王子は山本庸督。チャーミングで表情豊か、それでいて王子らしい品を備え、細やかさも持った表現で好感が持てた。特に3幕のヴァリエーションでは、喜びが自然に湧き上がって、ストレートに観客席まで届く感じで良かった。オデット&オディールは佐野弘枝、2幕のオデット登場では、硬い表情に緊張が感じられるような気がしたが、3幕のオディールでは余計な力も抜けて伸びやか、フェッテ・アン・トゥールナンなどの難易度の高い技もよくこなしていた。

osaka1309d_1115.jpg 撮影:尾鼻文雄

他に目を引いたのは、クラウンの井上雄介。表情がとてもイキイキとして、脚など体のラインも美しい。踊る喜びも伝わって惹きつけられた。また観たいと思わせるダンサーだ。ロッドバルトもよく踊るなと思ったら、武藤天華、さらに迫力が増すともっと良さそう。
コール・ド・バレエも一定のレベル以上で、特に4幕は振付も良く美しいと感じた。ラストは、オデットが身を投げて後、ロッドバルトがまた他の白鳥をリフトするなどしているところ、王子が最後の勇気を振り絞ってロッドバルトの羽をもぎ取り、倒した後に自らも身を投げる──という天国で2人が結ばれるストーリー。最後まで観客を物語に惹きつける仕上がりだったと思う。
(2013年8月10日 NHK大阪ホール)

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osaka1309d_2696.jpg 撮影:尾鼻文雄(すべて)