ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.02.12]
From Osaka -大阪-

寺田バレエがキエフとの積極的な交流が実り、フィリピエワ、マトヴェインコと共演

寺田バレエ・アートスクール
バレエ・コンサート、高尾美智子:総芸術監督、寺田宜弘:芸術監督

ソ連時代だった1975年、寺田バレエ・アート・スクールを主宰する寺田博保・高尾美智子夫妻と当時のキエフ・バレエ学校校長によって結ばれた両校の姉妹校締結。それから、現在に至るまでキエフから優秀生徒を招いたり、日本の生徒が現地に研修に出かけたりと積極的な交流が続いている。また、子息である寺田宜弘はバレエ学校1年生からキエフに留学、現在もキエフ・バレエのダンサーとして、またキエフ・バレエ学校の芸術監督にも就任して現地で活躍している。その姉妹校締結の中心となった寺田博保の13回忌を迎えるにあたって、日本公演中のキエフ・バレエから豪華なゲストを得てのバレエコンサートが開催された。
幕開けは『くるみ割り人形』第2幕よりお菓子の国。金平糖はエカテリーナ・カザチェンコ、王子はヤン・ヴァーニャ。実はこのコンサートの前日、兵庫県立芸術文化センターでキエフ・バレエの『眠れる森の美女』を観た。そこでリラの精を踊ったカザチェンコを、ラインが美しくて柔らかな詩情もあって、ぜひまたいつか観たいと思っていたところだったのだ。翌日に観ることが出来るとは!ヴァーニャもノーブルな魅力が良かった。中国の踊りはカテリーナ・メテルキナをパートナーに寺田宜弘が、フランスの踊りやギゴーニュおばさんとキャンディボンボン、花のワルツで、寺田バレエのダンサーたちも活躍した。

osaka1302d_0499.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302d_8021.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1302d_1011.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

『白鳥の湖』第2幕より湖の場は、エレーナ・フィリピエワと芸術監督に就任したデニス・マトヴィエンコがオデット&王子。深みを増したフィリピエワのオデット、それにベテランになっても初々しさを失わないデニスの王子はさすが。この二人とも、バレエ学校時代にキエフ・バレエ学校の優秀生徒として寺田バレエによって京都に招かれている。簡単には国外に出ることの出来なかった時代のことでもあり、とても印象深い大きな思い出になっている様子。だからこその暖かい思いが、この演目に限らず舞台に漂っているようなコンサートだった。この『白鳥の湖』もソリストやコール・ド・バレエには、キエフのダンサーとともに寺田バレエのダンサーたちも踊った。
そして、続いての演目はプログラムに載っていないサプライズ。寺田博保が本を読んでいる姿の大きな写真が映し出される前で踊られた追悼の『パ・ド・カトル』。踊ったのは、エカテリーナ・カザチェンコ、ユーリア・モスカレンコ、アナスターシャ・シェフチェンコ、カテリーナ・メテルキナ。優しさに満ちた追悼だ。
ラストはウクライナ民謡の『ゴパック』を寺田バレエのダンサーたち、生徒たちとキエフの男性たちで。女性たちは可愛らしく、寺田宜弘を中心とした男性たちは、活き活きとテクニカルに、盛大に盛り上げて幕を閉じた。
(2013年1月7日 びわ湖ホール大ホール)

osaka1302d_0828.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302d_8029.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1302d_1178.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪) osaka1302d_8037.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)