ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2013.02.12]
From Osaka -大阪-

瀬島五月とエルフィンストンの華やかで豪華なグラン・パ・ド・ドゥ

貞松・浜田バレエ団
『くるみ割り人形』貞松融、浜田容子:演出、貞松正一郎、長尾良子:振付

神戸の街のクリスマス・シーズン恒例となっている貞松・浜田バレエ団の『くるみ割り人形』。今年、神戸文化ホールとの共催で15年目を迎えるのだという。ここ数年は、従来からの“お菓子の国ヴァージョン”と新しい“お伽の国ヴァージョン”を1日ずつ上演している。今回、私が観たのは23日の“お伽の国ヴァージョン”。クララ(上村未香)と王子(水城卓哉)を、お伽の国の女王(瀬島五月)と王(アンドリュー・エルフィンストン)が迎えるヴァージョンだ。ちなみに、これはこの後、年が明けた1月12日に東京の新国立劇場でも上演された。
幕開けは、ドロッセルマイヤー(貞松正一郎)が登場、彼がこれからの世界を司っているということが感じられる演出。パーティのシーンにうつって登場する上村未香のクララは、素直で優しい少女という感じで自然に物語に引き込んでくれた。塚本士朗の元気なフリッツも良い。そして、お伽の国の王子の水城卓哉はチャーミングで甘い魅力、女の子を夢の中に誘うにはぴったりの雰囲気だ。1幕終盤の雪の精のシーンは、テクニカルなパやジャンプがふんだんでスピーディ、本当に鮮やかで、コール・ド・バレエの隅々まで良いダンサーが揃っているからからこその素晴らしさだとつくづく思った。
2幕は、オーロラの国に始まり、お伽の国へ。それぞれオリジナリティを持ったディベルティスマンを楽しんでのクライマックスは、クララが魔法でコール・ド・バレエたちと同じ色の衣装に変わって中心で踊る華麗なる円舞曲(花のワルツ)。クララがここで大歓迎を受けて楽しんでいることが分かる演出だ。そして、その高揚感のなかでお伽の国の女王(瀬島五月)と王(アンドリュー・エルフィンストン)のグラン・パ・ド・ドゥが踊られる。ニコニコと優しそうな王と華やかな輝きを放つ女王。瀬島はコーダでの回転技も鮮やかで、引き込まれて夢見心地になっているなかで幕が閉じた。
ちなみに、前日22日のお菓子の国ヴァージョンのゲネプロものぞかせていただいた。こちらは、クララが最後のグラン・パ・ド・ドゥまでを踊るヴァージョン。川﨑麻衣がその大役を任されての舞台だ。華奢で美しくしなるような腕のラインを活かしての清潔感のある繊細なクララ、丁寧な踊りに自然な笑顔も出て良い感じ。このバレエ団に、また新たなプリマが誕生したことを実感した。
(2012年12月22日、23日 神戸文化ホール大ホール)

osaka1302c_0060.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302c_0142.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1302c_1154.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302c_3181.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1302c_1659.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302c_0575.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
osaka1302c_1629.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1302c_0558.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)