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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.03.12]
From Osaka -大阪-

青木崇のデジレ、法村珠里のオーロラによるバレエ芸術劇場『眠れる森の美女』

原振付:M.I.プティパ、演出・改訂振付:田中祥次、振付:石川惠己、橘照代
日本バレエ協会関西支部

今年のバレエ協会関西支部主催バレエ芸術劇場は『眠れる森の美女』全幕。
オーロラ姫&デジレ王子は法村珠里&佐々木大の予定だったのだが、佐々木大がインフルエンザで倒れてしまったため、急遽、青木崇が王子を踊ることに(その後、すぐに佐々木は回復したようなのでご安心を)。それに伴って、青木が踊る予定だった宝石のサファイアを山口章が、山口が踊る予定だったマズルカを香西秀哉が、また1幕の貴族に吉田旭が入るなど、男性キャストを必要に応じて変更しての上演となった。
しかし、青木崇はさすが。事前のリハーサルでも佐々木の代わりを務めることがあったようだが、普段から主役経験を積み重ねていることからの実力だろう。とまどいなどは見えず、ノーブルで魅力的な王子姿をみせてくれた。

osaka1203a24.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)

2幕の、想いが高まっていくようなジュテ・アントゥールナンは特に素晴らしく印象に残った。また、急なパートナーの変更でありながら、オーロラ姫の法村珠里もプロらしく落ち着いて舞台をこなしていた。1幕のローズ・アダージオは、以前彼女がこれを踊るのを観た時よりも格段にバランスよくスムーズ。3幕のグラン・パ・ド・ドゥも、メリハリがあって柔らかさも感じられる踊り、高く上げた脚など大きな動きで、天真爛漫な明るい性格のお姫様という印象のオーロラ姫だった。
また一方、松本真由美のリラの精と安積瑠璃子のカラボスの対比も見応えがあった。基礎に忠実な動きで優しい善き存在そのもののような松本と、悪役を歌うように楽しげに伸び伸びと踊った安積、どちらも実力あるダンサーであることをあらためて実感。
他に、3幕のディベルティスマンも適材適所。ショーダンサーのように客席へのアピールをともなった表情変化が楽しい谷吹知早斗と末原雅広の白猫と長靴をはいた牡猫、それに、前田奈美甫と恵谷彰によるフロリナ王女と青い鳥もとても良かった。前田は繊細で清潔感のある優しい魅力を持つダンサー、コーダでアンディダンをフワーっと二周回った姿が目に焼きついている。恵谷もいつも通り美しい甲のアントルシャ、伸びやかなジャンプが素晴らしかった。
主役の変更というトラブルがあっても、大きな問題にはならず、魅力を感じさせる全幕に仕上がっていたことに拍手を送りたい。
(2012年1月29日 大阪国際会議場メインホール・グランキューブ大阪)

osaka1203a02.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) osaka1203a04.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)
osaka1203a07.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1203a19.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1203a20.jpg 撮影:金原優美(テス大阪) osaka1203a26.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)