ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.11.12]
From Osaka -大阪-

大久保春香のキトリ、武藤天華のバジルが光った『ドン・キホーテ』

ふれあいの祭典2012ひょうご洋舞フェスティバル
『ドン・キホーテ』貞松正一郎:総監督・振付

例年、ひょうご洋舞フェスティバルとして行われる公演は、バレエとモダンそれぞれの演目をということで、2〜3演目を組み合わせて舞台だったのだが、今回は、兵庫県洋舞家協会設立60周年記念ということで、全幕バレエ『ドン・キホーテ』をオーケストラの生演奏(江原功指揮、びわ湖の風オーケストラ)で上演した。出演者は兵庫県洋舞家協会に所属する団体からのオーディションで決まり、23団体から120名あまりが出演、クラシック団体だけでなく、モダン団体からもジプシーの場や民族舞踊などに出演した。

osaka1211c06.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪)

総監督・振付は貞松正一郎。貞松・浜田バレエ団でも『ドン・キホーテ』は繰り返し上演されているが、今回は、それを取り入れつつも、出演者に合うようにアレンジ。ジプシーの場のはじめに踊られたキトリとバジルのパ・ド・ドゥや、居酒屋のラストの大団円の音楽の工夫などが印象深い。
キトリは大久保春香、高いテクニックを持つ彼女、それを活かしながら、日本人らしい繊細さや品も出て良い感じ。キトリも良いが、彼女が踊る白いバレエなども観てみたい気がした。バジルは武藤天華、彼は(今後、年を経て変わるかもしれないが)、王子よりもこうした若者らしい役の方が似合うように思う。雰囲気がとても合っていた。
ソリストも、キトリの友人の藤井真理子、明坂有希、街の踊り子の宮﨑樹湖、エスパーダのアンドリュー・エルフィンストン、ドルシネア姫の小林望、ドゥリアーダの女王の中澤舞、キューピッドの川崎愛理、結婚式の場のヴァリアシオンの伊藤真理子、沢村優樹、逸見澄子とそれぞれ実力のあるダンサーが揃っていた。なかで、ジプシーの場が特に印象に残ったのだが、ジプシーの首領の確かなバレエテクニックに基づいた踊り、そして、ジプシーの女の憑かれたように強い想いを表出した踊りの迫力にひきこまれた。また、居酒屋での酔っ払いの踊り「ジグ」(長尾美花、八木麻利那、山田祐里子、塚本士朗、水城卓哉、稲毛大輔)も、テクニックをともなって、とても楽しめた。
また、機会を見つけて、ぜひ、力を合わせた全幕を上演してほしいと思う。
(2012年10月6日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール)

osaka1211c01.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1211c08.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪)
osaka1211c10.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪) osaka1211c13.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪)
osaka1211c15.jpg 撮影:正路隆文(テス大阪) osaka1211c17.jpg 撮影:古都栄二(テス大阪)