ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2011.09.12]
From Osaka -大阪-

山本隆之、福岡雄大、福田圭吾が踊ったK★バレエスタジオ26thコンサート

演出・振付:矢上香織『子供の遊戯』久留美『アラジン』恵子『Lazo─絆─』他
K★バレエスタジオ
osaka1109b01.jpg 『ドン・キホーテ』
(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス-

山本隆之を筆頭に、福岡雄大、福田圭吾と新国立劇場で活躍するダンサーを次々と輩出しているK★バレエスタジオの26回目のコンサートが開催された。
幕開けは子供たちの演目で矢上香織振付の『子供の遊戯』。中心でピエロを踊った西川香乃の素直な踊り、自然な演技がよく、これからが楽しみ。
魅力的なパ・ド・ドゥが5つ上演された。その最初は、明るい笑顔で活発な感じの石川真理子と梶原将仁による『ドン・キホーテ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ。続いての『タリスマン』よりグラン・パ・ド・ドゥは、井後麻友美のニコニコと笑顔を振りまきながら落ち着いた踊り、そして福田圭吾のアントルシャの連続などとても美しいパの数々が印象的。また福田の、強さを持った厳しい表情や演技に、これまで挑戦したことがないようなタイプの役もしっかりこなすダンサーとしての成長を感じた。『海賊』第1幕よりグラン・パ・ド・ドゥは、ランケデムを踊った福岡雄大の、堂々としてイキイキと伸びやかにパをこなす姿が素晴らしかったと同時に、ギュリナーラの清水亜優の素直な踊りにも好感が持てた。
『グラン・パ・クラシック』の井本世奈は表情が自然に変化し、香りたつような優雅な笑顔が良い。パートナーの福田鉱也も年々、一歩一歩成長していることが感じられる。『ジゼル』第2幕よりパ・ド・ドゥは吉田千智と山本隆之。吉田は身体のラインがきれいでポーズは本当に美しい、ただ、ジゼルという役は本当に難しいと思うのだが、その表現についてはこれからの成長に期待したいところ。山本はさすがにアルブレヒトの複雑な感情が伝わる踊りを観せてくれた。

osaka1109b04.jpg 『海賊』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス- osaka1109b05.jpg 『ジゼル』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス-

矢上恵子振付のコンテンポラリー『Lazo─絆─』は、集団でたくさんの触覚のある生き物のよう。なかの6人ほどの女性のシーンが特に印象に残ったのだが、もがいてたおれている人の手を繋いだ最後の人が取り、順に起き上がらせて繋がっていく……まさに“絆”、静かな、しみじみと心にしみ入る場面だった。この作品のラストで33人のダンサーが、速度のある動きで揃ったところは圧巻で、意志も全員が揃っているようでゾクッとした。
『シンデレラの出発』でシンデレラを踊った梅本愛海もやはり表情変化が良く、ストーリーに即した演技が自然。
最後は矢上久留美振付の『アラジン』より、宝石の踊りで華やかに幕を閉じた。男性はもちろん、女性も良いダンサーが多く在籍することを実感した舞台だった。
(2011年8月11日 吹田メイシアター)

osaka1109b02.jpg 『Lazo─絆─』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス- osaka1109b03.jpg 『Lazo─絆─』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス-
osaka1109b06.jpg 『シンデレラの出発』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス- osaka1109b07.jpg 『アラジン』(C) OFFICE URANUS-オフィス ウラノス-