ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2011.07.11]
From Osaka -大阪-

豪華バレエダンサーが他ジャンルのダンサーと踊った『GQ』

演出:新上裕也、TETSUHARU『GQ 紳士の品格~Chocolat~ヘンゼルとグレーテルより』
CSB International
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2月に東京・サンシャイン劇場で行われた公演が、約4か月を経て、今回大阪で上演された。“紳士の品格”という副題が付いたこの公演、出演者は全員男性で、さまざまなジャンルのトップダンサーが、新上裕也の呼びかけに応じて集結しての舞台。新上とともに、安室奈美恵やSMAP、AKB48などの振付も手がけるTETSUHARUが演出を、振付はシーンによって分担され、演出の2人の他に青木尚哉や吉本真悟も行って創られた。

誰もが知っている童話『ヘンゼルとグレーテル』を下敷きにお菓子の家へ旅をするのは、ヘンゼル役がTETSUHARU、グレーテル役が少年である村田永路。父子のように見える2人が旅をするなかで、CAI XIAOQIANGが扮するモミーやSHINICHI扮する魔女をはじめ、さまざまな登場人物に出会い、最後はお菓子の家で欲望のままお菓子を食べ続けるパーティに興じて……というストーリー。
ストリート系やミュージカルなどで活躍するダンサーとともに、バレエダンサーも前述の吉本真吾を筆頭に、佐々木大、法村圭緒、中島周、横関雄一郎、福原大介、風間無限、長澤風海、大貫勇輔など贅沢なメンバーが多数出演、他のジャンルのダンサーと作品を創ることで、彼らのまたひと味違った面を観ることができたのは楽しかった。そして、やはりジャンルが違っても高レベルのダンサーが集うことで、全員で出す迫力や格好良さは人を惹きつけるものがあると実感した。
ただ、特に前半、さまざまなダンサーそれぞれに見せ場という思いからか、ノリで創ってつなぎ合わせたのだろうかと思えてしまう面があったように思えるのが惜しい。せっかくこれだけのダンサーを集めたのだから、エンターティメント性を重視しながらも、1作品全体として醸し出す芸術的な深みも同時に目指すことも出来たかも知れない。それは誰がやってもとても難しいことだろうけれど、両立しないものではないと思う。
ともあれ、ストリートダンス・ファンは増えているけれど、彼ら彼女らはバレエなんてみないのだろうな・・・と感じることが多いこの頃、こういった舞台をきっかけに、これまで興味があったジャンルとは違ったダンスのダンサーにも魅力を感じて観てみようというファンが増えるきっかけになればとても嬉しい気がした。
(2011年6月7日 森ノ宮 ピロティホール)

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撮影:薮内努
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