ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2011.07.11]
From Osaka -大阪-

ロシア・バレエの魅力が溢れる法村友井バレエ団『お嬢さんとならず者』ほか

振付:法村牧緒『お嬢さんとならず者』(原振付:ボヤルスキー)
振付:法村牧緒『ショピニアーナ』(原振付:フォーキン)
振付:ワジム・シローチン『シェヘラザード』(原振付:フォーキン)
法村友井バレエ団
osaka1107b01.jpg 『お嬢さんとならず者』撮影:尾鼻葵

それぞれが違った魅力で楽しませてくれる良い取り合わせの3演目だった。
まず最初に上演されたのは『お嬢さんとならず者』。1920年代、革命直後の混乱したソ連を舞台に、清純な女教師エレーナ(法村珠里)と不良少年ゲンナジー(奥村康祐)を中心に繰り広げられる一幕物のバレエ。ショスタコーヴィッチの曲にコンスタンチン・ボヤルスキーが振付けた作品で、キャバレーでのダンスや喧嘩、そしてもちろん清純な恋などさまざまなシーンが短いなかに盛り込まれている。社会が変わる混乱期という意味で、ソ連崩壊後とも重なるような気もする興味深い作品だ。
だが、現在、ロシアで上演されることはほとんど無くなっているようで、法村友井バレエ団がこの作品をレパートリーに残して、数年に一度のペースで上演していることはとても興味深い。今回のエレーナ役、法村は持ち前の華やかさを感じさせながら前向きな教師を演じた。また、ゲンナジーの奥村は、これまで不良少年といった役はあまりなく、こういった姿は初めて観たような気がするが、さすがに演技力によっていつもと一味違う顔を観せてくれたのが嬉しい。

osaka1107b05.jpg 『シェヘラザード』撮影:尾鼻葵

次に上演されたのは『ショピニアーナ』。コール・ド・バレエの隅々まで、ロシア・バレエの基礎がきっちりと入っており、整然とした静の世界を満喫させてくれた。詩人の今村泰典はスラッとした美しいスタイルを活かした踊り。そしてとにかくこの演目、マズルカの松岡愛の崇高な知性と柔らかい透明感を感じさせる踊りがとても良かった。
ラストは『シェヘラザード』。振付も行ったワジム・シローチンがシャリアール王を演じ、ゾベイダは堤本麻起子、金の奴隷をニキータ・シェグロフ。堤本がこの役を踊るのは数年前に次いで2度目、パートナーも同じニキータだ。前回もスラッとした長身を活かして踊った彼女がとても美しかったのを思い出すが、今回、妖艶さと演技の迫力が格段に増して、妖しい世界に引き込まれるような気がした。
(2001年6月4日 アルカイックホール)

osaka1107b02.jpg 『お嬢さんとならず者』撮影:尾鼻 葵 osaka1107b08.jpg 『お嬢さんとならず者』撮影:尾鼻文雄
  osaka1107b03.jpg 『ショピニアーナ』撮影:尾鼻葵   osaka1107b06.jpg 『ショピニアーナ』撮影:尾鼻文雄
osaka1107b04.jpg 『シェヘラザード』撮影:尾鼻葵 osaka1107b07.jpg 『シェヘラザード』撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄、尾鼻 葵
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