ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.12.10]
From Osaka -大阪-

石井潤振付作品ほか、全京都洋舞協議会メキシコ公演凱旋

演出・振付:石井潤『シャンソネッタ・テデスカ』『ララバイ』『インタープレイ』
本城ゆり:振付『ヴォカリーズ』ドリス・トペテ小品集
京都市・財団法人京都市文化協会・全京都洋舞協議会

今年の1月31日に、京都市とグアダラハラ市姉妹都市提携30周年、日本メキシコ交流400周年の記念事業として、メキシコ、ハリスコ州立デゴジャード劇場で、全京都洋舞協議会から選ばれたメンバーによって行われた公演の凱旋公演と、本城ゆりの卒寿記念作品、グアダラハラ市よりの交流出演による舞台が行われた。

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まず最初の演目は、本城ゆり卒寿記念作品『ヴォカリーズ』。年を重ねた女性たちがラフマニノフの音楽のなかで、思いを込めて踊る。もちろん、若き日のようには体は動かないのだろうけれど、本城の踊りには独特の雰囲気があり、しみじみと魅入った。
続いては、グアダラハラ市よりの交流出演。まだあどけない、日本でジュニアと呼ばれる年代の少女達がクラシックのヴァリエーションやメキシコ民謡にドリス・トペテが振付けたものを踊った。特にゴキブリの踊りという『ラ・クカラーチャ』や『マヤの花』『猫』といったオリジナル作品での表情の豊かさが良く、とても可愛らしい。日本人は特にこの年代では、バレエの技術が磨かれていても、こういった客席へのアピール度は低い場合が多いので印象に残った。

そして、後半はブラジル凱旋公演、石井潤振付の3作品だ。ブラジルで踊った主要な役柄のダンサーのうち、武藤天華がスケジュールの都合で出演できず、末松大輔に代わっていたが、現地での公演と基本的に同じ内容で観ることができた。
まずは、ヨーロッパの古楽器の音色に乗っての『シャンソネッタ・テデスカ』。素朴で懐かしいダンス、特に中村美佳と中田一史による、表現するものがスーッと自然にこちらに伝わるようなパ・ド・ドゥが良かった。
次の『ララバイ』は、寺田美砂子、中村美佳、井澤照予、夏目美和子、戌亥紗江、女性ダンサー5人で踊る、5人それぞれのドラマを描き優しく包むような作品。大人になりかけの少女の可愛らしさと清らかさを感じさせる井澤照予、中性的で格好良く、内から出る魅力に引き込まれる寺田美砂子を筆頭に、5人が5人とも違うレベルの高い表現を見せてくれた。とても良い作品だと思う。
最後は、アメリカン・バレエ的なスピーディなシンフォニック・バレエ『インタープレイ』。スピーディなシーンなど踊りの楽しさそのものを見せる感じ。中心のカップルは中西貴子と末松大輔。中西は前半で少し冷やっとさせるところも見せたが、大人の香りと堂々とした存在感で作品を盛り上げていた。こういった演目が最後に来て、ブラジルではさぞ盛り上がったことだろうと想像が膨らんだ。
(2010年11月14日 京都会館第2ホール)

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撮影:阿部綾子(テス大阪)
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