ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.11.10]
From Osaka -大阪-

廣岡奈美主役デビュー 貞松・浜田バレエ『ドン・キホーテ』

再演出:ニコライ・フョードロフ『ドン・キホーテ』
貞松・浜田バレエ団
osaka1011a01.jpg

このバレエ団が2002年に、ニコライ・フョードロフを招いて指導を受けたゴルスキー版での4度目の上演。今回、神戸や北九州、埼玉などさまざまなコンクールで1位の実績を持つ廣岡奈美の主役デビューとなった。
1幕、登場したキトリ(廣岡奈美)のくったくのない太陽のように素直な明るさ、自然な演技に好感を覚える。ジャンプは気持ちのよい伸びやかさで、大きく飛んでもポアントの音がほとんどしない。バジルは、アンドリュー・エルフィンストン、満面の笑顔でとても人の良いバジルという印象。
2幕はまず居酒屋の場面からで、酔っぱらい達の踊りジグ(福田咲希、武藤天華、塚本士朗、水城卓哉)がまず楽しい。ボロボロの服を着てベロンベロンに酔った踊りで、一件バレエのパから離れているように見えるけれど、ジャンプ等の動きの端々に踊ったダンサー達のバレエのテクニックが活かされていることを感じた。続くジプシーの野営地の場面で、ジプシーの女を踊ったのは武用宜子。彼女がこういうタイプの役を踊るのを初めて観たような気がするが、もともと表現力のあるダンサー、失意の女の表現にはゾクッとさせるものがあった。そして、ジプシーの首領は軸がしっかりして、テクニカルな動きも見せる良いダンサー、また若い良い新人が育ったのだろうかと思ったら、ベテラン貞松正一郎だった。
夢の場は、ドゥリアーダの女王を瀬島五月、キューピットを上村未香。瀬島が見せる女王らしい大人の落ち着き、上村の華奢で優しい可愛らしさが良い。ドルシネア姫の廣岡とともに夢の世界に誘ってくれた。『ドン・キホーテ』はさまざまなタイプの踊りが楽しめるのが良いとあらためて思う。
3幕は、もちろん華やかにテクニカルに。グラン・パ・ドゥ・ドゥのフェッテ・アン・トゥールナン、ダブルも入れながらの高度な技をまったく笑顔を絶やすことなく回りきり、鮮やかに全幕を締めくくった。
(2010年9月23日 尼崎アルカイックホール)

osaka1011a02.jpg osaka1011a03.jpg
osaka1011a04.jpg osaka1011a05.jpg

撮影:古都栄二(テス大阪)
※画像をクリックすると、大きな写真をご覧いただけます。