ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.11.10]
From Osaka -大阪-

宮下靖子バレエ団の「バレエ IN 呉竹」深川秀夫作品、『パキータ』ほか

宮下靖子バレエ団
深川秀夫:演出・振付『ディ・フェーダー』、『ラフマニノフ・コンチェルト』、
宮下喜久子(宮下靖子原振付):振付『ショパンのアダージョ─ 靖子の贈り物─』、
マリウス・プティパ:振付『パキータ グラン・パ』

宮下靖子バレエ団が毎年秋に行っている呉竹での公演。今年のプログ ラム最初の演目は、ジュニアの女の子22人による深川秀夫振付 『ディ・フェーダー』。シュトラウスの『美しく青きドナウ』に乗っ て、黒いレオタードにカラフルな羽をしょった女の子たちが無邪気に踊る。時折、『白鳥の湖』を思わせる振りが入っていたり嬌声を発したり。小枝のようにか細くも元気に動く女の子たち。未完成ではあるけれど、この年ごろだからこそだせる魅力が感じられる。素直に精一杯踊っている楽しげな姿がとても良かった。

osaka0911b01.jpg osaka0911b02.jpg

続いては大人の生徒たちによる『ショパンのアダージョ─靖子の贈り 物─』。宮下靖子の原振付を宮下喜久子が改訂振付しての上演。音楽監督の宮下和夫が弾くピアノ演奏、ショパンの『ピアノコンチェルト第 2番第2楽章』に乗せて、幅広い年齢の女性たちが丁寧な動きで踊る。
「善の心」が「悪の心」をさとすストーリーということ、バレエ シューズで踊る無理のない振付で、気持ちを込めた踊りになっていた。

3番目の演目は『ラフマニノフ・コンチェルト』、やはり、深川秀夫振付作品だ。最初の『ディ・フェーダー』より年齢も技術も成長した女の子たちによるスパニッシュな動きも取り入れた振付で、フェッテ・ア ントゥールナンなどの高度なバレエ・テクニックも入っている。強い目線の演技が印象的だった。

osaka0911b03.jpg osaka0911b04.jpg

そしてラストは『パキータ グラン・パ』。エトワールカップルは井澤照予と吉田旭、ともにこのバレエ団期待の新星だ。2人とも伸び盛りで自分の限界にどんどん挑戦していくフレッシュな魅力を溢れさせている。井澤はスタイルもよく繊細で美しく柔らかい──Sweet、ほんのり甘い砂糖菓子のような雰囲気。吉田の方も素直で丁寧な踊りに好感が持て、以前観た時よりもノーブルさも増したようだった。ソリストやコール・ド・バレエも含めて、ラストを飾るのにふさわしいものに仕上がっていた。
(2009年9月18日 京都市呉竹文化センター)

osaka0911b05.jpg osaka0911b06.jpg osaka0911b07.jpg

撮影:岡村昌夫(テス大阪)・田中 聡(テス大阪)
※画像をクリックすると、大きな写真をご覧いただけます。