ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.07.10]
From Osaka -大阪-

ArtTheater dB KOBE こけら落としダンス公演

東野祥子振付『E/G ── NY version ──』
宮北裕美振付『Mankind』
きたまり、森川弘和振付『RendezBlue』
DANCE BOX
osaka0907b01.jpg

4月29日、神戸市の新長田にオープンしたArtTheater dB KOBE。そのこけら落としダンス公演がAプロ、Bプロに分かれて行われた。私が観たのはAプロ、その3作品それぞれをご紹介しよう(ちなみに、Bプロは5月23日、24日、アンサンブル・ゾネ、岩下徹る、セレノグラフィカの出演で行われた)。

Aプロの最初の演目は、東野祥子振付『E/G ─NY version ─』。下手前方で椅子に座り、紙袋(?)をかぶって、コントローラーらしきものを操作するサウンド・パフォーマンス・アーティストのカジハラトシオ。赤い長く伸びたコードが眼を引く。少し離れたところに震える女性、東野祥子の手が見えて……荒い息の音と音楽が重なるなかで踊る。赤いコードに絡まりながら踊る姿は苦しい“もがき”のように見えるが、オーバーではなくさりげない調子なので、自然に感情がこちらに届いた。

次に上演されたのは、宮北裕美振付『Mankind』。読経のようにも聞こえる男のうなり声、どこかの国の女の人の言葉、“テロ”という言葉が聞こえたり、爆撃の音が聞こえる中、ダンサーとしての緊張感を持った身体が動く──宮北浩美だ。彼女の眼は、少年のように澄んでいて、ピュアさが感じられとても魅力的。それが踊り進むにつれて、大人の女の色っぽさを持った表情に変化してゆく。同じショートカットのヘアスタイルのまま、同じ人であることは分かるのに、不思議なほど違った表情を見せてくれる姿には眼を見張った。最後は晴れ晴れとした表情になり救われるように終わる。観ていて心地よいダンスだった。

最後は、きたまり、森川弘和振付『RendezBlue』。演出は、きたまり。ハワイアン、アロハ、ウクレレ、カーリーヘアにスーツケース、ハワイへのバカンスを意識したちょっとコミカルなダンス。ふたりの楽しい動きは、小さな子どもが観たらキャッキャッと笑って喜ぶんじゃないかと思える、言葉では伝わらない面白さを含んでいた。実はこの公演、地域の子ども達がたくさん来てくれる予定があったそうなのだが、ちょうどインフルエンザ騒ぎがもっとも大きな時で、残念なことに実現しなかった。また、近いうちに再演して、子ども達や普段ダンスを観ないお年寄りなどにも観せてみるとどうかと思う。
(2009年5月17日 ArtTheater dB KOBE)
 

osaka0907b02.jpgosaka0907b03.jpgosaka0907b04.jpg