ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2017.12.11]

越智實への追悼の意を込めて──越智インターナショナル・バレエ『新・白鳥の湖』

越智インターナショナル・バレエ
『新・白鳥の湖』越智實:振付

昨年、惜しまれて逝った越智實が2006年に傘寿記念公演で、振付け上演したという『新・白鳥の湖』。ブルメイステルの申し子だったというヴィオレッタ・ボートフに越智は教えを受けたということで、ブルメイステル版が元となった演出・振付だ。今回、追悼の意を込めて、これが再演された。

1712nagoya_0489.jpg 『新・白鳥の湖』撮影:岡村昌夫(テス大阪)

白いワンピース姿の清らかなオデットが花を摘むプロローグから。王女オデット&黒鳥オディールを踊ったのは、ロシア国立クレムリン・バレエ団のジョイ・ウォマック。たおやかで情感のこもった美しいラインのオデット、ロシアバレエの基礎に忠実でヴァリエーションでの床の使い方もていねいで好感が持てた。一方、オディールになると、妖婉で伸びやか、こちらの方が似合うと思えるような楽しげな踊り。フェッテ・アントール・ナンなどのテクニックも達者で華やかに引きこんだ。
そして王子ジークフリートは、ワディム・ソロマハ。この人は、もうベテランという年齢のはずなのに、白鳥の王子らしい初々しい魅力をきちんと出せるところが素晴らしいとつくづく。もちろん、ラインも美しく、テクニックや演技力もさすが。そして、道化を踊ったのは、越智友則。1幕と3幕で伸びやかに高度なテクニックをイキイキと披露し、楽しく会場を湧かせた。
1幕のパ・ド・トロワは男性も2人のパ・ド・カトルで、大下結美花、渡辺梢、アンドレイ・ガブリシキフ、マクシム・ビロクリニツキーと実力派ダンサーたちが踊りの魅力で楽しませてくれた。また、3幕のディヴェルティスマンは、みんなが悪魔ロットバルト(オレグ・リハイ)の手下というようにロットバルトのマントから登場する。スパニッシュの髙木優花、イリヤ・オリーニク、マキシム・ピロクリニツキーのオディールを王子に観せながらの部分も良かった。
白鳥たちのコール・ド・バレエもていねいで好感。そしてラストは、王子もオデットも湖に……けれど、その愛の力にロットバルトは滅び、ワンピース姿に戻ったオデットと王子が抱き合う。ハッピーエンドの結末だった。
(2017年11月12日 愛知県芸術劇場大ホール)

1712nagoya_8033.jpg 1712nagoya_8023.jpg
1712nagoya_0727.jpg 1712nagoya_0139.jpg
1712nagoya_0087.jpg 1712nagoya_0120.jpg
1712nagoya_8017.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)(すべて)