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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2017.01.10]

素直で優しい山下実可のシンデレラ、気品と高いバレエテクニックの碓氷悠太の王子、松岡伶子バレエ団『シンデレラ』

松岡伶子バレエ団
『シンデレラ』松岡伶子;演出・振付、市橋万樹;追加振付

松岡伶子演出・振付の『シンデレラ』、このバレエ団では、もう何度もこの作品を上演しているといい、団員みんなが愛着を持つ作品のようだ。ちなみに、ちょうどこの公演の少し前、11月15日に松岡伶子は東海テレビ文化賞を受賞し、東海テレビの特別番組で広くこれまでの実績が紹介されたばかり、そんな喜びのなかでの舞台だった。

nagoya1701_S3697.jpg 山下実可、碓氷悠太
撮影:むらはし 和明(すべて)

シンデレラ役の山下実可は、清らかで優しい雰囲気、素直な踊りに好感が持てるダンサー。“女の子の夢”を体現して、物語の世界に誘ってくれた。王子の碓氷健太は、甘いマスクでの優しげな雰囲気が女の子の憧れる“王子様”そのもの。そしてもちろんノーブルで、高度なテクニックにもキレがある。
また、この演目は役者が揃ってこそ、ということで、高宮直秀の押しの強い継母、義姉オデットの早矢仕友香と義妹アロワサの松本千明の笑いを誘うコミカルな演技と踊り、それに気が弱いけれどとても優しい森充生の父も適材適所。この演出では父は、家族の中でシンデレラの唯一の理解者で、シンデレラが美しいドレスで舞踏会に現れた時にも、それが自分の娘であることに気付く。その変身に、継母や義姉妹は気付かないけれど、父だけは気付くのだ。温かい演出。
仙女が1幕で老婆として現れた時から、客席には仙女であることを分からせるのも、演出の特徴。小さな子供たちが観ていても、物語に入っていきやすい工夫だと感じた。
四季の精のシーンも充実、春、夏、秋、冬、どれも良かったが、特に印象に残ったのは、冬の精の木谷美里。しなるような柔らかな身体の使い方、香り立つような踊りが魅力的で、ぜひ、また観たいダンサーだと思った。
(2016年11月27日 愛知県芸術劇場大ホール)

nagoya1701_S2818.jpg 山下実可、高宮直秀、早矢仕友香、松本千明  nagoya1701_M0094.jpg 仙女:西田悠乃
nagoya1701_M0124.jpg 時計の精 nagoya1701_S3975.jpg 山下実可、碓氷悠太、西田悠乃
nagoya1701_S4022.jpg シンデレラ:山下実可、王子:碓氷悠太 nagoya1701_M0249.jpg シンデレラ:山下実可、王子:碓氷悠太
撮影:むらはし 和明(すべて)