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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchiu 
[2016.09.12]
From Nagoya -名古屋-

未来に向かって花開いた、越智インターナショナルバレエのフレッシュバレリーナフェスティバル

越智インターナショナルバレエ
第33回「フレッシュバレリーナフェスティバル」カーニバル2016

越智インターナショナルバレエ団の第33回「フレッシュバレリーナフェスティバル」カーニバル2016 を観た。会場は名古屋の繁華街にほど近い新栄町の名古屋市芸術創造センターだった。
越智インターナショナルバレエ団は、去る4月14日に創設者の越智實が、91歳で逝去したばかりである。しかし、直後の5月に予定されていた岐阜のアカデミー公演と越智インターナショナルバレエ・アカデミー公演を、継承者の越智久美子を中心に結束して成功裡に終えた。そして今回の公演を迎えることになった。
このカンパニー、越智インターナショナルバレエ団は、パブロワ・ニジンスキー記念と冠していることからもわかるように元来、ロシア・バレエとの交流が盛んである。今回公演もかつてキエフ・バレエの芸術監督を務めた故ワレリー・コフトンの振付に基づいたものが中心となっていた。特別指導に当たったのは、元キエフ・バレエ学校校長のタチアナ・タヤキナ。全体の振付・演出は越智久美子が手掛けている。

nagoya1609_0457.jpg (すべて)撮影:田中聡(テス大阪)

PART I からPARTII の前半部分までは、可愛らしいバレリーナたちのクラシック・バレエのヴァリアシオンが次々と踊られた。『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』から『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『ライモンダ』『ドン・キホーテ』『ジゼル』などなど。まるでバレエの花が咲く花畑を眺めているような楽しい雰囲気だった。
そして奥田桃子とワディム・ソロマハの『エスメラルダ』よりパ・ド・ドゥ、中西愛里紗とアレキサンドル・ブーベルは『ヴェニスのカーニバル〜サタネラ〜』のパ・ド・ドゥ、渡辺梢と越智友則の『シルヴイア』よりパ・ド・ドゥが踊られた。カンパニーのソリストたちが美しく踊り、ソロマハの柔軟性に富んだ踊りと越智友則のエネルギッシュで力強い踊りが際立って印象に残った。

PART IIIとして公演全体を締めくくったのは、『ラ・バヤデール』よりパ・ダクシオン。第二幕のガムザッテイとソロルの婚約の式典のシーンである。ここでは越智久美子とソロマハが堂々と踊ってさすがと思わせる貫禄を見せ、渡辺梢、中西愛里紗、奥田桃子、辻咲桜香などが花を添えた。
「創設者が亡くなった」という悲しみをカンパニー全員が胸に秘め、華やかなフェスティバルを盛り上げ、喝采を浴びて終演の幕を降ろしたのである。

nagoya1609_0206.jpg nagoya1609_1229.jpg 「エスメラルダ」奥田桃子、ワディム・ソロマハ
nagoya1609_1409.jpg 「サタネラ」中西愛里紗、アレクサンドル・ブーベル nagoya1609_1477.jpg 「シルヴィア」渡辺梢、越智友則
nagoya1609_8023.jpg nagoya1609_8028.jpg
nagoya1609_8032.jpg 第33回フレッシュバレリーナフェスティバル 撮影:田中聡(テス大阪)(すべて)