ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2015.12.10]
From Nagoya -名古屋-

踊り演じ重ねてこそ現れる深みを感じさせる越智久美子の迫真のジゼル

越智インターナショナルバレエ
『ジゼル』ワレリー・コフトン:演出・振付

越智インターナショナルバレエの『ジゼル』は、キエフ・バレエで活躍した故ワレリー・コフトンの振付を、バレエミストレスとしてタチアナ・タヤキナが指導しての上演した。

nagoya1512a1648.jpg 越智久美子、ワディム・ソロマハ
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

2日公演で、11月14日はジゼルをオレシア・シャイタノワ、アルブレヒトを越智友則、ミルタを松本真由美。私が観たのは15日で、ジゼルを越智久美子、アルブレヒトをワディム・ソロマハ、ミルタを髙木優花が踊った。
演出は基本的に奇をてらうことなくオーソドックスだが、随所に細やかな演出がある。例えば、1幕、ヒラリオン(アレクサンドル・シャポワール)がジゼルの気持ちが自分に向いていないことを感じ取った時、ジゼルの家のドアに捧げた花を自らとって地面に捨てる。また、2幕のラスト、ジゼルが墓に戻った後、いったん去りかけたアルブレヒトがジゼルの墓のところに戻り、墓を抱きしめるようにほおずりする。『ジゼル』のラストはさまざまな演出があり、中には残酷なものもあるけれど、この、本当にアルブレヒトはジゼルを思っていたのだと感じさせるラストは気持ちが救われるもの。
ジゼルの越智久美子は、パをアレンジしつつ、心を込めた丁寧な踊りをみせてくれた。特に1幕最後の狂気の場面は、何度も演じているからこそ深まっていると思える凄み、迫力があった。アルブレヒトのワディム・ソロマハは、正確なバレエ・テクニックの上に細やかな感情表現がさすが。2幕のアントルシャもとても美しかった。
ソリストでは、1幕パ・ド・シス、中心を踊ったのは明るく華やかさを感じさせた渡部梢とティモフィ・ビコベッツ。踊りとして素直に楽しめるものに仕上がっていて印象に残った。
(2015年11月15日、愛知芸術劇場大ホール)

nagoya1512a8017.jpg パ・ド・シス nagoya1512a1600.jpg 越智久美子、ワディム・ソロマハ
nagoya1512a1375.jpg 越智久美子 nagoya1512a1247.jpg パ・ド・シス
nagoya1512a1109.jpg 越智久美子、ワディム・ソロマハ nagoya1512a0037.jpg オレシア・シャイタノワ、越智友則
nagoya1512a0402.jpg nagoya1512a0554.jpg オレシア・シャイタノワ、越智友則
(すべて)撮影:岡村昌夫(テス大阪)