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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2014.08.20]
From Nagoya -名古屋-

越智久美子が再振付けした『白の組曲』、ソリストとコール・ドが融合した素晴らしい舞台

越智インターナショナルバレエ
「フレッシュバレリーナフェスティバル」越智久美子:演出・振付、タチアナ・タヤキナ:特別指導

越智インターナショナルバレエ(芸術監督越智實)のフレッシュバレリーナフェスティバル(バレエ21世紀公演No.18)は、1984年に始まり、今回で第31回を迎えた。

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第一部はバレエコンサート。まずは、『パ・ド・カトル』よりだった。ロマンティック・バレエの全盛時代、そのロマンティック・バレエの極め付きの名バレリーナ4人(タリオーニ、チェリート、グリジ、グラーン)が踊った名曲だ。今回の開幕では太田由子、伊藤麻梨子、眞下万穂、中島華穂が踊った。
続いてドリコ曲、ゴルスキー振付の「海と真珠」は『せむしの仔馬』の中の1シーン。「真珠」役の山本恵里菜と川原万奈、と「海」役の堀尾亮真が可愛らしいトリオを踊った。
『白鳥の湖』の黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥは渡辺梢と久野直哉が踊った。久野はスタイルが良く柔らかさも感じさせる。渡辺のキレの良い踊りとなかなかうまくマッチして、ドラマティックな効果をあげていた。
『パキータ』のパ・ド・ドゥは、中西愛里紗と越智友則。中西はしっかり踊ったが、柔軟性を活かせばさらに伸びるダンサーだ。越智の軽快さと共振するように踊ればさらに素敵になるはず。越智は落着いて堂々たる踊りだった。
その他に7つのヴァリエーションが踊られ、このカンパニーのクラシック・バレエのレパートリーの広がりを感じさせた。

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第二部は『白の組曲』。セルジュ・リファールがラロの音楽を使って振付けた同名の作品があるが、こちらはキエフ・バレエで活躍し芸術監督も勤め、1977年にニジンスキー賞も受賞したワレリー・コフトンの原振付に基づき、越智久美子が再振付したもの。音楽はチャイコフスキー「第3組曲ト長調作品55」だ。

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まず、女性のプリンシパル 越智久美子、男性のプリンシパル、ワディム・ソロマハ、越智友則が、それぞれコール・ド・バレエと組んでヴァリエーションを踊る。そしてデュエット(越智久美子、ワディム・ソロマハ)となる。このデュエットはなかなか格調の高い踊りで、見事な美しい構成だった。続いて男性プリンシパル越智友則に導かれるように、コール・ドの様々なフォーメーションによる力強い踊り。それぞれの細かい動きが、音楽の音の組み合わせと一体化している。決して美しいメロディーで聴かせる曲ではないが、説得力があり観客はしだいに盛り上がりをみせた。コーダでは全員が踊り、素晴らしいエンディングを充分楽しむことができた。コール・ド・バレエも見せ場があり、フォーメーションの変化で見せるのではなく、動きの巧みに組み合わせてダイナミックな変化を感じさせる。全体に流れがあり、バランスが良く構成されていて見事だった。女性ダンサーは白いチュチュにテアラを着け、舞台に華やかな雰囲気を醸し、印象に残った。
(2014年7月19日 日本特殊陶業市民会館フォレストホール)

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nagoya1408a07.jpg 撮影:テス大阪(すべて)