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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2014.06.10]
From Nagoya -名古屋-

堀登振付『椿姫』を田川陽子、貞松正一郎が踊った中心に見応えのある舞台

田川陽子バレエアカデミー
『椿姫』堀登:振付、『コッペリア第3幕』貞松正一郎:再振付ほか

英国ロイヤル・バレエ・スクールで学び、ドイツのゲルセンキーシェン州立劇場バレエ団で活躍した経歴を持つ田川陽子。現在は指導者として多くの生徒を育てている。その中にはコンクールで1位や上位の成績を獲得する生徒も出てきた。そんな彼女が出産を経て、今回は久しぶりに自らも舞台に立った。

nagoya1406a_0988.jpg 『椿姫』撮影:高橋大輔(テス大阪)

踊ったのは、堀登振付の『椿姫』、田川がマルグリットを踊り、貞松正一郎がアルマン、アルマンの父・ジェルモントは堀登。小作品ながら、椿姫のストーリーのエッセンスが上手く凝縮した振付、また踊ったダンサーたちが3人とも経験豊富なベテランで見応えのある深みを持った作品に仕上がっていた。貞松が内面から溢れるような思いを自然に観客に伝えることができるダンサーで、加えて、とても若い青年だからこそ持ってしまう若気の至りのような怒りをとてもストレートに表していたのが印象に残った。田川も運命に翻弄されながらも懸命に生きるマルグリットを好演、彼女の手脚、特に膝が入った脚のラインの美しさにうっとりとし、その四肢を使っての研ぎ澄まされた表現に目が釘付けになった。

nagoya1406a_1042.jpg 『椿姫』撮影:高橋大輔(テス大阪) nagoya1406a_1113.jpg 『椿姫』撮影:波片一乃(テス大阪)

他に男性出演者の活躍が目に付いた。森川礼央はコンクールで良い成績をあげているのをよく目にするダンサー。家田莉子をパートナーに『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥを踊った。今回初めてのグラン・パ・ド・ドゥだという。二人ともしっかりとした基礎の上のノビノビとした高テクニック、表情もイキイキとして好感が持てた。また、大阪の一柳多鶴バレエ学園から中島駿と羽渕彗樹が出演、伸びやかなテクニックを見せて観客を惹きつけた。
ラストは貞松正一郎振付『コッペリア』第3幕。楽しく華やかな結婚式の場面だ。スワニルダの菰田いづみは優しく柔らかい印象の踊りが良い。パートナーの水城も優しい雰囲気と上に伸びる抜け感のようなものがあって、観ていて気持ちの良い踊り。また、イキイキとした男の子たち(酒井啓丞、森川礼央、渡辺太悟)が「若者」という役で「戦い」の音楽で踊り、あらためてこれからが楽しみな男性が多く育ちつつあることを実感した。
(2014年5月11日 名古屋市青少年文化センター)

nagoya1406a_0847.jpg 『パリの炎』撮影:波片一乃(テス大阪) nagoya1406a_1421.jpg 『コッペリア』撮影:波片一乃(テス大阪)
nagoya1406a_1155.jpg 『コッペリア』撮影:高橋大輔(テス大阪) nagoya1406a_1486.jpg 『コッペリア』撮影:波片一乃(テス大阪)