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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2013.12.10]
From Nagoya -名古屋-

越智インターナショナルバレエの溌剌として活気溢れる『白鳥の湖』

越智インターナショナル・バレエ
『白鳥の湖』タチアナ・タヤキナ:振付・指導

越智実が芸術監督を務める越智インターナショナルバレエは、創立年の1949年の第1回発表会にも『白鳥の湖』をとりあげた、という。その後、1973年の創立25周年記念公演では国立ブタペスト・バレエ団のイルティゴ・ボンゴルを主演に招き上演した。1993年にはウラジーミル・マラーホフをゲストに招いて上演し、99年にはワレリー・コフトンの演出・振付により創立50周年記念公演としても上演している。コフトンはキエフ・バレエ団のスターダンサーとして踊り、芸術監督も務めているが、2005年には急逝している。
今回上演した『白鳥の湖』は、キエフ・バレエのプリマとしてコフトンともパートナーを組んで踊った、タチアナ・タヤキナが演出・振付けている。

nagoya1312a02.jpg 『白鳥の湖』撮影:テス大阪

タヤキナの演出・振付はオーソドックスなヴァージョンである。
道化が物語をリードするかのように踊り、オデットとオディールは別のダンサーが踊ってドラマを際立たせた。ロットバルトが踊るシーンも時折あった。特に第2幕では、ジークフリートには姿を見せず、背後に回ってその行動を探る踊りを見せ、物語の背景を踊りによってうまく語ったし、サスペンスのあるなかなか見事な演出だった。キエフ・バレエのアレクサンドル・シャポワールがロットバルトに扮し、キビキビとした動きを見せた。 
オデットを踊った越智久美子は相変わらずしっかりとした踊り。とにかく舞台上に描くラインがくっきりとしていてしかも独特の柔らかさを持っている。良きパートナーを得て安定した踊りだった。
オディールはやはり、キエフ・バレエのナタリア・マツァックが踊った。第3幕にロットバルトとともに登場すると、宮廷の広間を睥睨しオデットと見誤った王子に愛を誓わせると、たちまち消え去った。ここも無駄のない鮮やかな演出である。第一幕のパ・ド・カトルも活気のある踊りで良かった。また、道化は越智友則が巧みに踊りこの舞台全体を盛り上げ引っ張ったのは、さすがだと思わせた。
主役のワディム・ソロマハのジークフリート王子は、言うまでもなく王子役を見事に、しかし何の苦労もないかのように踊って優雅だった。要所要所に踊れる男性ダンサーを配していたので、全体に溌剌として見応えのある『白鳥の湖』だった。

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nagoya1312a06.jpg 『白鳥の湖』撮影:テス大阪