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星野 聖子 text by Seiko Hoshino 
[2013.07.10]
From Nagoya -名古屋-

情熱溢れる演技を見せてくれた岡田純奈バレエ団『ラ・バヤデール』ほか

岡田純奈バレエ団
「サマーコンサート2013」

名古屋を代表するバレエ団の一つである岡田純奈バレエ団が、「サマーコンサート2013」を開催した。今回の公演は3つのプログラムで構成されており、第1部は『ライモンダ』を始めとするクラシック作品の数々、第2部はキャラクターダンスを特徴とした作品集、そして第3部は『ラ・バヤデール』より影の王国の場面が上演された。ゲストダンサーには高宮直秀(ダンスカンパニー・ユニコーン)と梶田眞嗣(Goh Ballet Company)が迎えられ、この日のために練習を積み重ねて来た団員たちと共に情熱的なバレエを見せてくれた。

第1部の最初に上演された作品は『ライモンダ』よりライモンダの夢。20名のコール・ド・バレエと舞台に立ったのは主役ライモンダの山本佳奈、そして相手役のジャン・ド・ブリエンヌは高宮直秀だった。山本は目映いほどの笑顔で、慎ましく清楚なライモンダを表現。華奢ではあるが、訓練を積んできたと思われる強い脚と足先の持ち主で、彼女の動き一つ一つが正確だった。高宮が彼女をうまくサポートし、息の合った演技で観客を魅了。二人のバランスの取れたリフトは見事だった。第1部の『ライモンダ』の後には『眠れる森の美女』『海賊』『パキータ』などの良く知られている古典ヴァリエーションが披露された。中でも注目を浴びたのは『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥを踊った芳賀公美花と水谷仁のペアである。芳賀は愛らしいダンサーで、軽やかなステップを踏んで拍手を呼んだ。水谷は紳士的な雰囲気としなやかな体を持ちながら、アクロバット的とも言えるジャンプと回転で観客を驚かせた。水谷が跳躍すると会場がざわめくほどの盛り上がりだった。

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撮影:和光写真(すべて)

第2部は主にキャラクターダンスを中心とした作品で、『ホタ』『東洋の組曲」よりアラビア、『シルタキ』(ギリシャ)、『ラウレンシア』よりアラゴネーザのホタ、『スパルタクス」が上演された。『スパルタクス』では女性14人がハチャトゥリアンの曲に乗って快活に踊った。華があり、女性の魅力と力強さが感じられる作品で、私はとても興味を惹かれた。

第3部では『ラ・バヤデール』より影の王国が上演された。ニキヤ役は石黒優美、ソロル役は梶田眞嗣が務め、24名のコール・ド・バレエが舞台に色を添えた。影の王国と名の付くこの幻想的な場面で、ニキヤに対して愛を誓おうとするソロル。彼になり切り、バレエを通して思いを表現する梶田の演技は素晴らしく、鮮やかで熱意のこもった踊りが心に残った。梶田はたくましく、ダイナミックなジャンプが持ち味だ。ニキヤ役の石黒には息をのむような美しさと存在感があった。梶田とのパ・ド・ドゥでは、愛に溢れるニキヤを巧みに表現。石黒の動きは安定していて見ごたえがあった。
また、コール・ド・バレエが織り成す動きも見どころの一つ。24名のステップやアラベスク、腕や脚の角度などが揃うと舞台全体がいっそう神秘的になり、観客を影の王国へと誘った。最後には梶田と石黒が清々しくフィニッシュのポーズを決め、舞台は幕を閉じた。
(2013年6月22日 名古屋市芸術創造センター)

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撮影:和光写真(すべて)