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星野 聖子 text by Seiko Hoshino 
[2013.06.10]
From Nagoya -名古屋-

アカデミィの生徒たちがソロやコール・ド・バレエで大活躍した舞台

越智インターナショナルバレエ
第121回越智インターナショナルバレエ・アカデミィ公演2013

毎年春になるとアカデミィの生徒たちのための公演を行っている越智インターナショナルバレエ。東海地方の各地でこの公演が開かれる中、私は名古屋で開催された「第121回越智インターナショナルバレエ・アカデミィ公演2013」を鑑賞する機会に恵まれた。

nagoya1306a05.jpg 撮影:テス大阪

これは日々バレエのレッスンに励む生徒たちが、その練習の成果を発揮する大きな舞台である。小さく幼いバレエダンサーのたまごたちからベテランの生徒まで、大勢の出演者が観客の前に登場。その規模は大きく、名古屋公演だけでも約100名に上った。今回は「第30回フレッシュバレリーナフェスティバル」もプログラムに組み込まれ、若手ダンサーによるソロ作品も同時に上演された。
プログラム前半は、主に3歳から中学1年生までの生徒たちによる24作品が披露された。ソロ作品は『コッペリア』結婚の踊り、『眠れる森の美女』赤ずきんちゃん、『パキータ』よりヴァリエーションなどの演目で、まだ本当に幼少のバレリーナたちが観客の前でソロに挑戦。幼いながらにひたむきに努力するその姿に心が温まった。
群舞作品は『パキータ』マズルカ・ポロネーズ、『ライモンダ』第1幕幻想の場ワルツ、『ゼンツァーノの花祭り』コーダなどの演目が上演された。2人以上で舞台に立つということで、出演者たちは自分以外の周りのダンサーたちを意識し、しっかりと息を合わせながら見事に作品を踊り切った。24番目にソロで『ライモンダ』のヴァリエーションを踊った海田梓乃は、チャーミングで独特な魅力を放ったダンサーとして印象に残った。これからの成長が楽しみである。

nagoya1306a01.jpg 撮影:テス大阪 nagoya1306a08.jpg 撮影:テス大阪
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「第30回フレッシュバレリーナフェスティバル」では、中学2年から大学生までの将来有望な13名のダンサーが登場した。『眠れる森の美女』フロリナ王女、『白鳥の湖』ジークフリード、『ドン・キホーテ』キトリなど、全13作品のヴァリエーションを各ダンサーがソロで披露。彼らは皆、自ら希望してソロに挑んだとのこと。その練習も徹底して行われたことだろう。まるでコンクールを見ているような気分になるほど、彼らの意気込みが強く感じられた。特に、『海賊』アリのヴァリエーションを踊った三浦宏規のしなやかな動きには息をのんだ。1曲の中で力強くステップを踏む部分、ソフトに踊る部分を丁寧に踊り分け、めりはりのついた演技を見せた。また、『シルヴィア』のヴァリエーションを披露した宇佐美結は、細く長い脚を上手く使いこなし、体全体で美しいアングルを作った。華奢ではあるが、しっかりと強い基礎を身につけた足首を持っているのがわかる。最後に登場した久野直哉は『ディアナとアクティオン』よりアクティオンのヴァリエーションで会場を盛り上げた。彼が舞台に出てくるとその存在感が光り、彼の世界に引き込まれてしまった。踊りだけではなく、表情の豊かさや表現力にも今後ますます注目したい。
プログラムの最後は小さな子供たちによる『白鳥の湖』第1幕および第3幕。これは白鳥そのものの踊りというわけではなく、約60名の子供たちが『白鳥の湖』の曲に合わせ、綺麗なコール・ド・バレエを織りなす作品。オレンジ、イエロー、ピンクなど、淡い色のコスチュームを着て、ステージの上を舞う姿に観客から感嘆の声が聞こえた。ソロで踊る部分はなかったが、子供たちにとって、群舞で踊ることの難しさが経験できる良い機会になったのではないかと思う。
本公演はアカデミィの生徒たちの発表の場であったが、プログラムの途中に「ヨハン・シュトラウス・フェスティバル」の演目で越智久美子とワディム・ソロマハのペアも出演した。彼らはロマンスという役柄で、優雅かつ清楚で仲睦まじい2人を演じた。他にも越智友則が踊るマズルカ、久野直哉が踊るポルカが舞台に現れ、軽快なステップを踏んで観客を魅了した。
(2013年5月19日  日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール)

nagoya1306a03.jpg 撮影:テス大阪 nagoya1306a04.jpg 撮影:テス大阪
nagoya1306a06.jpg 撮影:テス大阪 nagoya1306a07.jpg 撮影:テス大阪