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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2011.12.12]
From Nagoya -名古屋-

日本・ウクライナ国交20周年記念として踊られた『ラ・バヤデール』

演出・振付:タチヤナ・タヤキナ『ラ・バヤデール』
越智インターナショナルバレエ
nagoya1112a01.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

日本・ウクライナ国交20周年記念として、ウクライナから多くのダンサーを迎えて行われた『ラ・バヤデール』。私が観た12日はニキヤを越智久美子、ソロルをワディム・ソロマハ、ガムザッティを楠本理江香が踊った。(翌13日は、ニキヤは同、ソロルを越智友則、ガムザッティを望月あや子が踊っている。)
このバレエ団の多くの舞台で主役を踊り、いつも良い踊りを観せてくれるソロマハも、ウクライナのキエフ・バレエ学校とバレエ団の出身。今回は他に大僧正のコンスタンチン・ゴルディチュク、ラジャのセルゲイ・ボンドゥールなど10名以上のウクライナのダンサーが出演。幕開け直後に登場した苦行層役のイゴール・コステンコの柔らかい筋肉を使った踊りに、まず目を奪われたところから舞台に引き込まれた。
そして展開していった物語、あらためて、このバレエ作品は、ニキヤのさまざまな面を観ることができる──つまり、ニキヤを踊るバレリーナがさまざまな面を見せる作品だなと感じた。

nagoya1112a02.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

越智久美子は、まず1幕1場の寺院で、ソロルとの恋を丁寧に踊って見せ、加えて毅然とした面も垣間みせる。そして2場では、ガムザッティに思わずナイフを向けてしまう激しさ、2幕、婚約式の場面に入ると、恋人が他の人と結婚してしまうどうしようもない悲しみ。特に蛇の踊りが素晴らしく、大人の魅力と強い眼の力に射すくめられてしまいそうな迫力で、さすがだった。そして、3幕の影の王国では、生まれ変わった少女のようにさえ見えて・・・。経験を重ねたバレリーナだからこそ踊ることができる演目と言えそうだ。ソロルのソロマハも、高いテクニックを軽くこなし、場面場面の演技も自然でとても良かった。
また、ガムザッティを踊った大阪からのゲスト、楠本理江香は、華やかで品の良い笑顔、長い手脚を活かした大きな踊り、知性も感じさせ、1幕最後の場面でのニキヤとのやりとりは迫力たっぷりの芝居になっていた。良家の娘としての誇りを自然に持った存在ということが身体全体から伝わった。
他に、良いソリストが何人もいたが、なかで印象に残ったのは、木野紗綾香、コンスタンチン・ヴィノボイ、セルゲイ・メルズリャコフの3人が踊ったインドの踊り、とてもイキイキとして、理屈抜きに惹きつけられるものだった。
(11月12日 愛知県芸術劇場大ホール)

nagoya1112a03.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) nagoya1112a04.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
nagoya1112a05.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪) nagoya1112a06.jpg 撮影:岡村昌夫(テス大阪)
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