ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.09.10]
From Osaka -大阪-

Y.S.BALLET COMPANYの初公演『シンデレラ』

 山本紗内恵バレエスクール発足25周年の記念に立ち上げられたY.S.BALLET COMPANY、その第1回公演が行われた。演目は『シンデレラ』、演出は、これまでさまざまな舞台で『シンデレラ』の王子を踊った経験を持つ大寺資二。

 主役シンデレラを踊ったのは佐藤絵理、不幸な境遇にあっても明るさを忘れない少女像を見せてくれた。王子は、主宰の山本紗内恵の子息で、昨年までアメリカのRoxey Balletで活躍し、今年08年、ミネソタ・バレエに移籍した山本庸督。ジャンプも回転も軽く伸びやかな踊りが良い。ちょっとコミカルに態度のワルい王子が、シンデレラの前に出ると紳士に──という設定のようで、それも彼に似合っていた。

 脇で一際目を引いたのは、義姉役の瀬川哲司。日本人初のグランディーバのダンサーということで話題を呼んだ彼、この公演でもパーティ・シーンで、トゥ・シューズの華麗なテクニックを、ちゃめっけたっぷりに楽しませてくれた。

 クライマックス、シンデレラを捜し求めて世界中をまわった王子と友人たちがシンデレラの家にやってきて、靴を合わせさせるシーン。片隅で、もう片方の靴をもってひっそりとしているシンデレラ──この、もう片方の靴がどのように王子の眼に触れるかは演出の工夫のしどころ。この公演では、その靴を、パーティの12時の鐘とともに出て来た時の精(桑田充)がここでも現れて、靴を取り王子の目の前に運んでいくという演出、時の精がまるでキューピットのような役割を果たしているのが印象に残った。
(2008年7月23日 梅田芸術劇場メインホール)