ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi 
[2008.09.10]
From Nagoya -名古屋-

川口節子の演出・振付による『イエルマ』

『神曲』ともに、川口節子が演出・振付けた『イエルマ』が、クリエイテヴ・ダンス・プロジェクト2008として上演された。ガルシア・ロルカの同名の原作をショパンの曲を使って振付けたモダンバレエである。
 東京バレエ団の小出領子と後藤晴雄、ロイヤル・バレエ・オブ・フランダースなどで踊った榊原弘子(コンプレクションズ・コンテンポラリー・ダンス)が出演した。

 

 スペインの田舎で女性に差別的な風習の中で、子供を望んで授からなかったイエルマの悲劇を描いた舞台。全員白い衣裳の中で、小出領子扮するイエルマだけが真紅のロングドレスを着け、後藤晴雄は夫のファン、榊原弘子は友人のマーリアを踊った。
 舞台の後方の中央に扉が開いていて、壁面からは木漏れ日のように、家族団らんの光が見える。上手と下手から頭に白いスカーフを巻いたコール・ドが登場し、頭を垂れて、スパニッシュ風に踊り、小出と後藤が戯れる・・・。
 結局、不妊の原因が夫ににあると分かって悲劇が起きる。
 オーソドックスな表現で、女性というものの哀しさを社会と個人を対置して描いている。コントラストの鮮やかな舞台だった。
(2008年8月2日、愛知県芸術劇場 大ホール)