ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2006.11.10]
From Osaka -大阪-

ポーランド、ドイツ公演も盛況、桧垣バレエ団『TAIKO』

 この秋、ポーランドのワルシャワ国立劇場、ビトム市シレジアン・ダンス・シアター、ドイツのハレ・オペラハウスでの公演も盛況だったという『TAIKO 太鼓「絵姿女房」より』。このバレエ団が良いのは、日本文化の良さをきちんと知った上で、クラシック・バレエの中で違和感なく、その日本文化の良さを活かしていることだといつも思う。
 演出・振付は、主役の女房役を踊った小西裕紀子、美術に日本画家の箱崎睦昌を迎えた。

 ストーリーは、聞いたことがある人も多いであろう民話。「村の美人妻の絵姿が、風に飛ばされ偶然に殿様の手に入ったために、妻がさらわれ城に連れて行かれてしまう。絶対に“笑わない女”として貞節を守っている妻を救うために、夫(と村の衆)が物売りに扮して城内に入り、殿様の愚かさに付け込んで妻を取り戻す」という内容だ。



 このお話を、上半身に着物のあわせのイメージを取り入れた衣裳にトゥ・シューズといった姿で演じるのだが、これが意外なほどしっくりくる。主役の小西の動きは柔らかく、日本女性の奥ゆかしいイメージにぴったりの雰囲気が女房役を魅力的なものにしていた。その夫、旦那役は志村昌宏、気品を感じさせ村の人には見えないくらい。そして、殿様は田中英幸、歌舞伎の動きも意識した踊りのようで、バカ殿様・・・といった風情を楽しませてくれた。村衆の女性達も、さまざまなシーンで活躍、特に印象に残ったのは、風で絵が飛ばされるシーンでの、まるでムンクの絵画から抜け出たような(?)表情の、モダンダンスを思わせる群舞。また、腰元役の山崎華乃は、冷たい雰囲気を上手く表現して、全体の流れを締めていた。
 舞台では、薄布に「竹」、「紅葉」、「藤」、「桜」が描かれた4枚の、掛軸を思わせるタペストリーが、さまざまな場面で効果的に使われており、それも良かった。
(10月21日、22日 京都府立府民ホールアルティ *21日を鑑賞)