ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2006.04.10]
From Osaka -大阪-

『くるみ割り(人形)と二十日(ぐらい)ねずみの戦争(キャー!!)』

やすなみずほが代表を務める “Ca ballet”の公演。バレエ『くるみ割り人形』を再構成したもので振付は北村成美。バレエ・ファンにとっては聞き慣れたチャイコフスキーの音楽をアトランダムに使って、まったく違う現代的なダンスに仕上げている。
 思いっきりポテトチップスの筒をたくさん散らかしたり、声を上げたり、「妙齢の女性はふつう抵抗あるでしょ(笑)!」と突っ込みたくなるような大胆な動きを組み合わせながら、次々とシーンが変わっていき、飽きさせない。

 “戦争”という言葉が、タイトルに入っているくらいだから、争いのシーンはある。でも、その争いは、どこか童話的にあっけらかんとしていて、またすぐに仲直り出来る雰囲気のもの・・・・観ながら、世の中の争いがみんなこれくらいあっけらかんとしていたらいいのになとふと思う。
「クラシック・バレエは気取っているからきらい」という人にも、このダンスの気取らない思い切った動きは受け入れられるだろう。ただ、このダンスがまるでめちゃくちゃに動いているようでありながら、こんなに人を惹きつけるものであるのは、構成のたくみさと共に、ダンサーたちの体が鍛えられたものであるからに違いない。長年、クラシック・バレエのレッスンもきちんとこなしてきたダンサーたちの動きは、クラシックにとどまらない動きに関しても、可動範囲大きく対応出来る。

 ダンサーの汗が時には飛んできそうな広さ、息づかいも聞こえてくる規模の小さな劇場空間。通常の『くるみ割り人形』の半分ほどの時間 ----- 60分間にまとめられたダンスが終わった時、目の前には60分間全力疾走した後のような表情の6人のダンサーたち、雨森敦子、大坪千鶴、木戸麻矢、二瓶みつき、早川亜希、三林かおるの姿があった。
(3月17~19日 栗東芸術文化会館さきら小ホール)


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