ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2005.10.10]
From Osaka -大阪-

●キエフ国立バレエ学校と姉妹校提携30周年、寺田バレエ・アート・スクール

 まだ、海外との交流が今ほど盛んではなかった1975年から、当時ソ連邦の一部だったキエフ国立バレエ学校との交流を続けて来た寺田バレエ・アート・スクール。キエフから優秀な生徒を招いてコンサートを行なったり、日本の生徒たちがキエフ・バレエ学校を訪れて研修するなどの交流を続けている。
 この30年の間に、キエフ・バレエ学校優秀生徒として招かれて、幼き頃に京都を訪れた生徒たちの名前を見ると、タチヤナ・ボロヴィック、エレーナ・フィリピエワ、イワン・ペトロフ、アリーナ・コジョカル、アレクサンドル・リヤプコ・・・と、現在世界中で活躍するダンサーたちが並ぶ。

 今回の『くるみ割り人形』の公演は、そんな幼き頃に訪れたひとり、デニス・マトヴィエンコとそのパートナーで妻アナスターシャ・マトヴィエンコ、ウクライナを代表するダンサー、ワジム・ピーサレフ、インナ・ドロフェーエワなど錚々たる14名のウクライナ人ダンサー、バレエ学校生徒を招いて行われた。

 1幕、小さなクララは木村優。ドロッセルマイヤー(ワジム・ピーサレフ)に導かれながら、初々しい可愛らしさで踊った。
 夜のシーンから、キエフ子供音楽劇場の川崎亜香里がクララに。くるみ割り人形役のキエフ・バレエ団で活躍する寺田宜弘と共に、きちんとしたテクニックに裏付けられた踊りをみせた。2人とも、この役柄は現地でも踊り慣れているようで、プロの表現力を感じさせてくれた。

 雪の女王は石川直実、長身の彼女、ダイナミックにノビノビと踊っていたのが良い。独特の演出は、雪のラストと2幕のはじめに登場した天使。なんとエンジとピンクの重厚なドレスに赤い羽。不思議な気はしたが、雪のシーンの後に、夜を感じさせるブルーの照明の元、赤い天使たちがたたずむのは美しく幻想的な光景だった(演出は寺田宜弘)。

 2幕、お菓子の国の王子と王女として登場するのが、デニスとアナスターシャ。そこに、くるみ割り人形が案内してクララが訪れるという設定。デニスとアナスターシャのグラン・パ・ド・ドゥは、さすが世界のトップレベル。デニスは、足の甲も美しく、難易度の高い技を華やかに、しかも品よく決める。アナスターシャもバレリーナそのものといった美しさで観客を魅了した。

 その後には、グランド・フィナーレという形で、インナ・ドロフェーエワの『瀕死の白鳥』などいくつかの踊り。そして、ウクライナを象徴するひまわり畑の絵をバックに、ウクライナ民謡『ゴパック』を出演者全員で踊って締めくくった。
(8月20日 びわ湖ホール・大ホール)

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