ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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桜井多佳子 text by Takako Sakurai 
[2004.03. 5]
From Osaka -大阪-

ひたむきに作品に取り組んでいた大阪芸術大学舞踊公演

  独特の雰囲気を持つ公演。もちろんプロの舞台ではないので、レベルは高いとは言いがたい。けれど、同年齢のダンサー集団、しかもトレーニングを重ねてきたことがみてとれる身体(体型は残念ながらまちまちだが)の動きは、整然と揃っている。いや、動き自体は、よく見ると危なげな箇所も多いが、緊張感と幸福感が混ざったような『気迫』をダンサーひとりひとりから感じ、それが一種の統一感を生んでいる。見終わったあとに「青春」なんて言葉を思い出してしまった。

さて、同学科舞踊コース主任に堀内充が就任して3年。1年ごとに堀内カラーは確実に濃くなっている。公演プログラムは、『パキータ』(2回生)『シルフィード』(1回生)、モダンの加藤きよ子振付の『告別』(2回生)、4回生の卒業制作作品、さらに研究生が『TOROIS DE  BACH』を、3回生が『ヴェローナ物語』と、それぞれ堀内作品を披露した。

  どの作品ももちろん、鑑賞を目的としているが、同時に研究対象であり、またトレーニングの題材でもあるのだろう。バッハをジャズ風に編曲した曲を、さらにステップがテンポよくアレンジしていくような『TOROIS DE BACH』は、鑑賞・研究・トレーニングの3目的が合致している。変化あるステップを鑑賞しながら、同時に、ひたむきに堀内作品に取り組む研究生たちにエールを送りたくなった。
 
『ヴェローナ物語』は、チャイコフスキー音楽『ロメオとジュリエット』にのせて、30分で悲劇の全容を描いた意欲作。主役にスポットを当てながらも、同時に何組ものカップルが登場したり、コール・ドの場面が多いのは、学生のための「教材」だからだろう。ロメオ役の山本庸督は、公演ごとに成長が伺える。今後の活躍に期待したい新人だ。
(2月19日 大阪国際交流センター)

 

大阪芸術大学舞台芸術学科公演より PHOTO:神本昌幸(STUDIO URANUS)