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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2018.05.10]

音楽とダンスの相乗効果が素晴らしかった、ペリダンス・コンテンポラリー・ダンス・カンパニー

PERIDANCE CONTEMPORARY DANCE COMPANY
ペリダンス・コンテンポラリー・ダンス・カンパニー
“ Gran Partita ”
『グラン・パルティータ』イガール・ペリー:振付

ペリダンス・コンテンポラリー・ダンス・カンパニーのニューヨーク・スプリングシーズンのパフォーマンスが、3月17日から25日まで、サルヴァトーレ・カペッツィオ・シアターで上演されました。プログラムA、Bがありました。イガール・ペリー振付で、音楽はモーツアルトです。
私は3月17日に今回が初演のプログラムA『グラン・パルティータ』を観ました。カンパニーのメンバーは男女9名で、それにプラス5名のダンサーが加わって出演し、休憩なしで上演されました。
音楽はマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックの学生たち13名の編成によるクラシックの生演奏で、指揮者はアンヘル・ジル・オルドネスでした。
比較的小さなシアターのダンス公演ですが、音楽が録音ではなくて生演奏でしたし、音楽とダンスの相乗効果も素晴らしかったです。

1805ny545A0917.jpg Photo/Anjola Toro

イガール・ペリーは、ペリダンス・スクールを経営し、教師、振付家、芸術監督としてニューヨークで活躍しています。特に教育者としては、長年に渡り、日本人にも学生ビザをたくさん出して多数の留学生を日本から迎えてきました。世界中の様々な国に毎年教えに行きますが、日本でも毎年教えています。

出演ダンサーたちのダンスの実力のレベルは高かったです。
最初、オーケストラのメンバーが少しずつ出てきて、音を鳴らしながら着席。少しずつスポットライトが当てられていきました。指揮者も登場してダンサーたちも少し出てきて動き、また消えていきました。しばらくそれが繰り返されていました。
一番後ろ横一列にダンサーたちがイスに座り、彼らもオーケストラのメンバー風にエア演奏をして、パントマイムのような演技をしながら動きます。そして、イスなどを全部移動して、舞台後方にオーケストラ全員が着席しました。
ダンサーたちは舞台前方で4名ほど、音楽なしでゆっくり動き始め、同じ振付で数名踊りました。音楽の演奏が始まり、ダンサーたち男女ペアが、次々に何組か踊り、だんだん増えて、6組ペアが同時に踊りました。ゆったりした音楽に乗って、リフトもありました。
ダンサーたちは数名ずつ入れ替わっていき、男性2名女性1名の1組で、また別の同じように3名が出てきて踊り、6名に増えたりしながら入れ替わっていき、12名になったり、男性2名になったり、バロック調のゆっくりとしたリズムの音楽に合わせてゆったりと踊りました。

1805ny545A1963.jpg Photo/Anjola Toro

振付は音楽の一つ一つの音符に合っている動きで、回転も踊りも流れるように変化していきます。くり返しの振付はほとんど無く、常に異なった動きが次々と連なってつなげられ、変化の多い踊りでした。右回転、左回転が交互に変わって続くところも多く、振付の難易度はかなり高いです。ダンサーたちはペアになったり、大勢出てきて真ん中でうごめいていたり、だんだん散らばって離れて動いていきました。
男女のパ・ド・ドゥはリフトを多用していて、男性が女性を持ち上げて回転させたり、2人でお互いに手を引っ張り合いながら遠心力を使って大きく動いたりしていました。流れるような詩的な振付で、テクニック的にもかなり難しいと思います。
イガールの才能はとても芸術的な振付で、素晴らしいセンスです。美的にも美しくまとめていました。1時間ほどだったと思いますが、作品の長さも程よくて、ちょうど気持ち良く長すぎず短すぎず、集中して観ることができました。
(2018年3月17日夜 サルヴァトーレ・カペッツィオ・シアター)

1805ny545A2596.jpg Photo/Anjola Toro