ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From New York <ニューヨーク>: 最新の記事

From New York <ニューヨーク>: 月別アーカイブ

ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2017.05.10]

「フラメンコ・フェスティバル2017」より、オリガ・ペリセットの現代的なフラメンコ

COMPANIA OLGA PERICET “PISADAS” Flamenco Festival 2017
『ピサーダス』コンパニーア・オルガ・ペリセット フラメンコ・フェスティバル2017
オルガ・ペリセット:芸術監督、振付、出演

毎年恒例になりつつある「フラメンコ・フェスティバル2017」のメインイベントのフラメンコ公演が、3月9日から12日まで、ニューヨーク・シティ・センターにて行われました。前号の「ガラ・フラメンコ」に続いて、コンパニア・オリガ・ペリセットの「ピサーダス」のレポートをお届けします。

オルガ・ペリセットは、1975年コルドバ生まれ。多数の舞踊団公演にゲストダンサーとして参加。2004年、ボレロ・ダンス「カルタ・デ・アモール・イ・デスアモール」で初の振付を手掛けた。2007年、コルドバ全国フラメンコ・コンク-ル“ピラール・ロペス”賞を受賞、2016年スペシャルACEアワードを受賞するなど受賞歴多数。
ゲストアーティストのカンタオーラとして出演していた年配女性のエルミニア・ボルハは、ずば抜けて歌が上手くて素晴らしいかったです。セビージャ生まれのボルハの歌声は、フラメンコらしい力強い迫力があって、とても太くて深いです。すごい声量で、深く魂の奥底から歌うような感じでした。

_FLAMENCO__BER4828.jpg Pisadas 「ピサーダス」(C)Stephanie Berger

この作品は、伝統的なフラメンコだけではなく、現代的なダンスの作風と演出もとり入れて、新たなフラメンコを模索して創作しています。
歌手、ギタリストたちがペリセットを囲んで演奏、歌って盛り上げながら、その真ん中で彼女が情熱的に激しく踊るという、おなじみの伝統的なフラメンコのスタイルも随所に見られ、とても盛り上がりました。
男性ダンサーが、大きな鹿の角を頭に両手でつけて出てきて、ペリセットと組み合って、闘牛のような動きをしました。ペリセットは、得意のカスタネットを鳴らす踊りをふんだんに見せてくれました。
また、ペリセットは固い材質の、紙かアルミシートのようなもので作られたエンジェルのようなロング丈Aラインのシルエットの白いドレスを着ていました。そのドレスは表面にはたくさんのシワが入っていて、ぐしゃぐしゃにした後にまた延ばしたような質感でした。ペリセットはそのドレスを着たまま、客席に後ろを見せて立ちました。
エレクトロニック音楽に乗って、カクカクしたロボットのような動きを見せながら、少しずつその衣装を脱いで去っていきました。
脱ぎ捨てられてぐしゃぐしゃになった舞台衣装に、周りの3人のダンサーが、花びらを投げ続けているところで、照明が消えました。
フラメンコ作品にしては、なかなか現代的演出によるエンディングでした。
(2017年3月12日夜 ニューヨーク・シティー・センター)

_FLAMENCO__BER5126.jpg Pisadas 「ピサーダス」(C)Stephanie Berger

COMPANIA OLGA PERICET “PISADAS” Olga Pericet
スペシャルゲスト・ダンサー:フアン・カルロス・レリダ (Juan Carlos Lerida)
スペシャルゲスト・歌手:エルミニア・ボルハ (Herminia Borja)歌手:ミゲ―ル・ラヴィ(Miguel Lavi)
ミゲ―ル・オルテガ (Miguel Ortega)
ギター:パコ・イグレシアス(Paco Iglesias)
ヴィクトル・マルケス“エル・トマテ”(Victor Marques “El Tomate)
パルマス:タチャ・ゴンザレス(Tacha Gonzalez)